研修報告 の日記群

個人的相対化理論

ヒトゲノムの解読に関わっているセンセイのハナシ@私学教育研究所主催を聞いてきた。

世の中ってのはどんどん細分化されているけれども、そのセンセイの話を聞いているうちに、「病気(疾病)」と「健康」の境目や体質ってのも「相対的」なモノであるのだと改めて知った。そして、究極的には2ビットの情報(DNA)に行き着いてしまうというのが面白い。神経における情報の伝達は1ビットだし、この文章も1ビットの変形であるし。結構世の中は単純だ。

なんて思ってはいけない。
私は日頃から「見たモノしか信じない(噂は無視する)」ようにしようと思っている。昔から信じられない(実感できない)のは、「世の中のすべてのモノは原子からなっている」ということだ。まあ、私が本気で感じているのは「フキはゆがいてからのほうが爪が染まらない」ってことくらいしかないけどね。

その1:蟻

9時に始まり、16時半に終わる講習、昼食場所の確保が多少面倒くさかった。
うちの学校から今回の研修に来ているのは私1人である。同僚のセンセがいれば、その人と食事に行ったでしょう。研修に参加している他の学校の先生には、多少顔見知りもいたことはいた。自分が高校時代に教わった先生とか、他校のソフトボール部顧問の先生とか。食事時間の微妙な駆け引きって結構面倒くさい。数名でつるんでいったとき、誘われないと悲しむヒトがいたり。
基本的に1人でいることを全然厭わない私である。水道橋駅近辺の食べ物屋を巡った、数日間。
その日、講義の開始が10時45分開始だった事もあり、朝食が多少遅めだった。JR阿佐ヶ谷駅に付随しているJR系のコンビニでおにぎりを2つ買っておいた。水道橋駅近辺を散策した際、発見した公園でそのおにぎりを食べようと思っていた。
そして、その日の午後の講義も終わったとき。「蟻さん、どこへ行ったのでしょうねぇ?」「そうだねぇ」私の席の後ろからその会話が聞こえてきた。

私の脛、アリンコが引っ付いていた。気づいたのは午後の講義の1コマめだった。公園での昼食の際、同僚の食事を調達すべく、探索活動に勤しむ蟻たちがいた。私の毛脛をガンガン登坂してくる。「なにもないっつーの!」と、足を振り回したり、アリンコを潰さぬよう、軽く手で叩き落としたりしつつおにぎりを食べたっけ。間違って?おにぎりの具「うなぎ」を落としてしまった。そこにやってきたクロヤマアリの行動を観察するも、私はファーブルほどの暇も無く、観察も適度に切り上げ講習会場の地下ホールに戻ったのだった。

そうか、彼はこの地、餌もなく我が家からも遠く離れたこのカーペットの上で殉死するのだなぁ。

その2:スニーカー

スラックスに運動靴はどうかねぇ?先生。

その3:サイクル

四・五十代のオッサンは、周波数の単位を「ヘルツ Hz」と云わず、「サイクル cycle」と云うことを確認。

『蟻』で文学的才能を使い果たしたので、『スニーカー』『サイクル』は手を抜きました。スミマセン。講習全16日中の9日が終了した。お疲れ様、私も他のセンセイ方(401名)も、講師のセンセイも、会場管理の公務員さん達も。

内職

暇なので、日記作成中。都立芝商業高校にて。
SQLなるものにちょこっと触れているのである。情報の研修4コマめ(15:00~16:30)である。30分残しているのであるが、課題を自力でこなしちゃったので暇なのである。現在16:03。

Accessってヤツに久々に触れているのであるが、少し理解が深まった気がする。でもSQL、今後は金輪際触れない自信がある。何のための研修なのだ。ま、いいか。高等学校新教科「情報」ってやつ、前にも記したが、パソコンだけではないはずなのですよね、肝の部分は。しかしながら、講師の先生はパソコンマニアっぽい人が多く(私もパソコンマニアであるが)、教科としての存在意義・存在価値ってちゃんとあるのかしら?と思うノダ。講師の先生は「新教科『上方』はこれからの教科です。金勘定・お笑い、どちらもこれからの社会に重要な要素であります。私たち自身が『かみがた』を理解し、より良いものにしていきましょう!」とよく言っている。理科を教える方が圧倒的に楽しいと思う、今のところ。ま、命令だから仕方ありませんね、コーチョーせんせからのサ。もう少しで講習も終わりそうであるので、日記作成も終了しましょう。16:09記す。

逃避

現在、14時22分。お勤め先でノートパソコンに向かって「情報」研修のレポートを作成している。めちゃくちゃ煮詰まり中、辛い。さっきはこの間退職された先生から譲り受けた重たいバットを素振りしたけど、気は晴れない。
逃避として日記を記し始めた。つまんないレポート(内容は結構しっかりしているはず、少なくとも結構おもしろいと思う、自分では)書いているので、反動として日記が書きたくなった。
情報科の研修、21日に終了したのである。のべ90時間の授業だった。激烈に辛かったので、その場合は睡眠した。話がおもしろい先生は引き込まれるんですけど、そうじゃないときはバリバリ寝てやった。一番講義がおもしろかったのは画像処理についての講義をしてくれた鉄道マニアの先生。二番目は著作権について講義をした、どこか田中康夫風の先生だった、私的には。

何が有意義だったかって言うと、免許が取れそうなこと、ではない。まだ取れるかどうかは分からないのだ。4つの作品と4通のレポート、学習指導案を提出しなければいけない、怠い。大学時代に比べると、相当真面目にレポート作成してる。ってか、文章作成能力が増強されている気がするのと、キーボードをすさまじい勢いで打てるようになったことがありますけど。大学の時のレポートは手書きだったからなぁ、基本的に。キーボードに本気で触れたのは大学4年からだったりするのである。私のパソスキルを知るヒトには驚かれますけど、ホントなのです。ま、中学時代なんかも親にパソコン(FM-NEW7)を買ってもらったのもデカいことはデカいですけど。タッチタイプの習得は「気合い」以外のナニモノでもありませんね、私に言わせれば。手元を見ない「気合い」だけだ。
で、その「情報科」の免許、別にそれほど欲しくないんですけど。とか言ったら講習洩れたヒト(居るのか?)に殺される? ま、何らかのキャリア?にはなるでしょうけど。

一番有意義だったのは、知り合いの先生がドカッと増えたことでしょう。
外部の先生というと、理科絡みかソフトボール絡みが多かったけど、ここへきて全然違う人々とも接する機会を得られた。知り合いの知り合いとか、昔教わった先生とか。
結局、私は酔っぱらいなので、酔っぱらいの先生と仲良くなってしまうのでした。ってか、気になった先生が打ち上げ宴会にいらっしゃっている場合が多かった。類は友を呼ぶのだと実感した。
この夏は東京都で400名強の先生が受講し、そのうちの35名と共に1つの教室で最後の7日間を過ごしたのでした。そのうちの16名の先生で飲みに行ったのでした。飲み会を仕切ってくれた先生に会えたのが一番の収穫であった。ここまで記すと、そのヒトが特定されてしまうかしら。まあ良いでしょう、悪口書くわけじゃないからね。
とんでもなくすさまじい繋がりがあるその先生、たまたま宴会では隣に座らさせていただいたのでした。具体的に書いても相当おもしろい繋がりなのですが、あの場に居たセンセ達と共に「心の共有フォルダ」にしまっておきましょう。


学習指導案、作成再開できそうな気がしてきた。
現在14時47分。約25分間の逃避でした。
約1300文字だった、数えてみたら。1分間に50文字以上打ち込んだのですね、文章を考えながら。すげぇ。

ダメダメ土建国家

昨日は初訪問の土地?2箇所に行ってきた。

東京私学教育研究所あたりが関わっている「理数系教科研究会」の「見学研修会」として、「独立行政法人文化財研究所 東京文化財研究所」に行ったのである。そこの見学に行くまでは気付かなかったが、その研究所は東京国立博物館の裏手にひっそりと佇んでいた。あたかも付属品のように。その研究所筐体は強烈にカネがかかってそうな、内部には木材と岩石が目立つ建物であった。研修としてそこに勤めている方の講話を聞き、その建物内の見学をした。そこで仕事をしているヒト達は、滅茶苦茶高価そうな建物内部で仕事をしていた。それにも関わらず、彼らの会話を聞くうち、その半数以上の方々からは「シゴトするにも予算が...」というフレーズが発せられたのだった。
とても不思議な場所であった。別に土建国家ニッポンでは不思議ではないのかも知れませんけれどもねぇ。

研修が終わり、その周囲を雨の中散歩した。すると、聞いたことある菓子店の名前が目に入ってきた。パティシエ イナムラ ショウゾウである。折角だから、ケーキを買って帰宅することにした。ビビッたのは、店の前にガードマン?が立っていたことだ。そんなケーキ屋初めて見ました。正確に言えば「ドアボーイ」ですかねぇ。ケーキは美味しかったです。ま、安くはないですけれどね。私の配偶者の両親には、とても好評の様子でした。彼らが食べたのは「特製苺ロール」でした。私が食べたのは確か「ショコラフロマージュ」ってヤツ。初めての食感&味覚でありました。私は、年を取るほどに美味しいケーキに巡り会ってきた気がします。昔よりもケーキの質は全体に上がっていると思うのです。値段が高い店で購入していることもありますけれど。

で、帰宅してパソコンを眺めていたら、「Winny(とそこに生息するウイルス)でNTTの顧客情報が流出」とか聞きました。それよりも、防衛庁の方が拙いと思うのだが、不思議に報道は少ない。2ちゃんねるなんかによると、「自衛官にパソコンが公費で支給されるなんて夢の夢」みたいな書き込みもありました。

以下は「防衛庁・自衛隊:海上自衛隊の秘密情報流出事案への対応について」から引用

海上自衛隊の秘密情報流出事案への対応について 平成18年2月24日  標記事案を受けて、防衛庁として次のとおり対策を行うこととしましたのでお知らせします。

(中略)

2. 私有パソコンによる業務用データ取扱いへの対策
 私有パソコンからのデータ流出を防止するため、緊急の対策として次の事項を実施。

 職務上使用する私有パソコンについて、ファイル共有(交換)ソフトの削除を確認
 私有パソコンに保存されている業務用データについて、秘密の情報・必要のないデータを削除
 現在、許可を得れば職場において私有パソコンによる秘密の情報の取扱いが認められているところ、これを全面禁止


前述の「バカ高い建物内で"カネがない"ってヒイヒイ言ってる独立行政法人職員」や、「怪文書を発表するような自衛組織」を雇っているクニに生まれたコト、とても有り難く思えます。

都生研の研修に参加

私の職場は、本日は午前・午後と学校説明会でした。
それを他の方々にお任せし、東京都生物教育研究会主催の研修会に参加してきました。

12月16日(土)14:30~17:00
第1支部・第2支部 研修会
ためしてガッテン流「ガッテン!」への導き方~がん研究最前線の取材を通して~
場所/都立小山台高校 生物室(東急目黒線武蔵小山駅下車)
講師/市川 衛(NHKためしてガッテン ディレクター)

具体的には、先日放映された「ためしてガッテン」の『激増中!大腸がん緊急対策術』の取材過程やディレクターとしてのシゴト、どうやって視聴率を確保するか、などのお話を聞いたのです。

研修に参加するにあたり、その番組をビデオに録画しておいたのですが、全編を見ることができたのは昨日のことでした。それより前に2回ほど、ビデオを再生している途中に寝てしまったのです。まあ、飲酒しながら夜遅くにビデオを見てもダメなのでしょうねぇ。2度目は布団に入った状態で見たし。
だから、昨日はビールを飲み始めると同時にビデオの再生も始めたのでした。きちんと最後まで楽しく見ることができたし、あと何年か経ったら「大腸の拡大内視鏡検査」を1度受けようとも思った私でした。つまり、私は市川氏の術中にまんまとハマッてしまったのでしょう。

イチカワマモルさんは、29歳というコトでしたが、滅茶苦茶しっかりした方でした。また「この人は相当に頭が良いなぁ...」って思いました。話が理路整然としているし、分かりやすく、全然眠気を覚えませんでした。約2時間の講義でした。恐らく、相当に準備もなさったことだとは思います、真面目そうな方でしたから。

番組の内容については、上に示したリンク先などを見るのが良いでしょうから、ここでは記しません。
その研修レポート元ネタ&備忘録として番組作成についてお聞きしたことを記します。ってか、番組作成の裏側って感じですが。

・ためしてガッテンのディレクターは12名
・3ヶ月かけて1本の番組を作成する
・制作費は1本あたり3000万円、ただしこれは「あるある大事典」の4分の1でしかない
・立川志の輔、小野文惠両氏との打ち合わせは2時間
・収録は2時間半、編集して43分にする
・ゲストの3名はぶっつけ本番
・「ガッテン」ってボタンを連打するのは場面転換の意味が大きい
・番組の最初の喋りでは「今までは............と言われていた。しかし今回............が分かった。だから............」っていう風にする

まあ、研修に参加するから真面目に番組を見たのは確かでしょう。だから、内容も印象に残った。
普段も自宅にいる限りは「ためしてガッテン」をボーっと見てはいます。でも、今回のように真面目に見たコトは無かった。
結局、全ての学習活動は「動機付け」なのかなぁ... って、思った私です。

今回の研修を企画された福田裕史先生の名前と顔は、NHKの学校放送で拝見していました。また「ためしてガッテン」は真摯&正確な感じで好きでした。なお私は「あるある大事典」とか、「みのもんた氏の出ている番組」は胡散臭くて嫌いです。
で、その2点セットが私の琴線にヒットし、今回の研修参加に至ったのです、多分。

また、その研修では数年ぶりに大学時代のサークルの伝説的な先輩に遭遇しました。学年では6つ上のセンパイでした。

そんなこんなで、いろいろ得るところの多かった研修参加でしたとさ。


そう言えば、旧教育基本法が失効したらしいが、それに関する話は私の職場で交わされたことはない。
今日の研修の懇親会でも法律話は無かった。私も特にその話をしたいとは思わないけれど。
結局、教員の基本業務は変わらないと思いますしねぇ。

昨日、「プログラミング・情報教育研究会」略して「プ会」に参加させて頂いた。

ほとんどの方が初対面だったのだが、ブログ等は以前から拝見している場合が多かった。
サイト名の50音順で「小リンク集」を作成してみます。


同僚のセンセです、改めてリンク。いつもお世話になっております。昨日は津久井先生よりもずっとマニアックな方々を拝見しました。「世界は広いなぁ」って思ったのでした。
情報科教員MTのBlog

東京都高等学校情報教育研究会(都高情研)の研究大会で、初めてお顔を拝見しました。私は小原先生(とそのブログ)を知っていましたが、小原先生は私を知らない(知らなかった)ことと思われます。
情報科作業日誌

主催(のお一人)である辰己先生は、Web 上の写真より、現物の方が明らかにかっこいいと思ったのでした。私の主観ですが。
辰己丈夫の研究雑報

やはり都高情研の研究大会で初めてお会いしました。その研究大会では、田崎先生にしてみれば、私は単なる聴衆の一人だったと思われます。
ネタ帳@教科「情報」

やはりやはり、都高情研の研究大会で初めてお会いしました。やはりやはりやはり、私は単なる聴衆の一人だったと思われます。先ほど知ったのですが、日本UNIXユーザ会などに関わっていらっしゃったのですねぇ... すごい。
NOSHIRO Shigeo Page

私の腐れ日記から、何度かリンクさせて頂いたコトがあったのですが、ご本人には初めてお会いしました。声援ありがとうございます。
Yansen 教科情報 BLOG


昨晩、私が懇親会の会場から早めに退出しようとしたトキ、辰己先生から「(もっと)絡んでくださいね」と言われたので、私なりに絡んでみました。

私が「トラックバック」というヤツをやらない理由は、以下のリンク先をご覧ください。m(_ _)m
ありおり。(日記): 検索結果


で、研究会そのものでは「高校でのプログラミング教育」と「大学でのプログラミング教育」の実践例を教えて頂きました。

以下は感想。

・授業で使うコンピューターが、「LinuxとWindowsのデュアルブート環境」となっている高校があるなんて、すげーなー。
・私は「コンピュータサイエンス」なる分野の知識が大幅に欠落しているようだ。
・やっぱり、プログラミングを教える先生は、プログラミングがホントに好きなのだなぁ...

私は私で、自分らしさを追求していこうと思った次第でございます。

過去10日の日記

8月1日から3日間、財団法人放射線利用振興協会による原子力体験セミナー上級理科コース I (魚拓) に参加してきました。

原子力体験セミナーに参加するのは2度目です。前回2005年の「産業コース」参加レポートはこちら
このセミナー、職場のセンセ方にも毎年勧めています。しかし、私以外に参加した方は無さそう。確かに宿泊が必要な研修は面倒かも知れません。
でも「原子力という技術」そのものを知るのは、意義のあることだと思います。

研修最終日、帰りのバスまで1時間近く余っていたので、原子力科学館に立ち寄ってみました。
2年前の原子力体験セミナーに参加した際にも「もう少し見たかったなぁ」と思った施設でしたので、ちょうど良かったです。そこでは「JCO臨界事故」に関する展示がありました。写真を撮ろうかとも思ったのですが、「きっとネット上には"見学レポート"があるだろう」と思い、あまり記録は取りませんでした。パンフレットはきちんと貰ってきました。
で、先日ネット上を漁ったところ、やはりレポートは存在しました。

JCO臨界事故模型展示を見る
http://www.asahi-net.or.jp/~zs2t-ikhr/article/jco6.htm

あの立派な、しかしあまり大きくない展示は、1年以上前に作られていたのですねぇ。
私が思ったのは「この展示は、どこから金が出て、実際には誰が作った(下請けした)のだろう」なんてコトばかりでした。

ちゃんとした「原子力体験セミナー」のレポートは、これから作成するはずです、職場の宿題だから...


6日と7日は、多摩川の河川敷で行われた、ソフトボール大会引率(日焼け付き)に行ってきました。
ソフトボールってのは、最低9名のプレーヤーが必要なのですが、勤務先では1,2年生で7名しか居ません。3年生の部員とその友達を助っ人として、何とか参加してきました。ま、例によって他の学校から部員を借りたりもしたのですが...
アトランタオリンピックで正式種目になったあたりから、「ソフト人気も高まるかしら...」って期待しつつ、既に10年以上。勤務先に於いては、部員数の増加は見られませんでした。むしろ減少しているかも。
やはり人数が揃い、練習試合を頻繁に行うようでないと、なかなかチームも強くなりません。

しかしながら大会後、約2週間は部活動も夏休みとしました。私も休まなければならない。
学期中は過労死の定義に引っかかるような超過勤務が続いています。どう考えても、年間104日(週休2日)相当の休日は無いしねぇ。

「味の素」の素に肉薄

一昨日、以下の会に参加してきました。
「第8回 関東地区中高教諭とケミカルエンジニア交流のための見学講演会・研究協議会」
エラく長い名称。
会場は「味の素株式会社川崎事業所」でした。

日本大学生物資源科学部の今井正直氏から「エマルション(Emulsion:ググリンク)」についての講義を聴いたり、味の素株式会社の研究員である三原康博氏から「核酸系うまみ調味料」の開発方法についての講義を聴いたりしました。
しかし、パワーポイントを用いた講演の内容がマニアックであり、資料も頂けなかったので、かなり私にとっては難解でした。
質疑応答の際に、他の(高校の?)先生方からの質問があり、それは参考になりました。
「サトウキビから味の素」とは言うものの、味の素(グルタミン酸ナトリウム)の材料には窒素を含むものも必要であるらしい、等々...

味の素の歴史についての展示で知ったのですが、昭和の初期には「味の素の材料は蛇だ」という流言があったらしいです。私は小さい頃、「石油からできている」って聞いたこともありました。
蛇からできてるのも嘘だし、石油説も嘘らしいです。
「蛇説」が流れた当時、「味の素」は小麦から作っていたそうです。現在は皆さんご存じの通り、サトウキビが主成分であり、そこに菌を作用させて作るそうで。

以下の写真は、京浜急行鈴木町駅のホームから撮影した、川崎事業所敷地内にある「菌保管庫」の後ろ姿です。
20070822.jpg

「工場内は撮影禁止」って言われてたので、駅のホームから撮影してみました。なんでも、この建物(右側手前の茶色いヤツ)の内部は、マイナス80℃になっているとか。「味の素」の「キモ」とも言える部分に、こんなに近づけるとは思いませんでした。もちろん、保管庫には入れてくれませんでしたけどね。


「川崎区鈴木町」という場所には、味の素の工場しかないそうです。
この周辺にまつわる簡単な年表を。

1909(明治42)年 鈴木三郎助(すずきさぶろうすけ)により、うま味調味料「味の素」一般発売開始
1912(明治45)年 (資)鈴木製薬所(1907年設立)を(資)鈴木商店と社名変更
1914(大正3)年 鈴木商店川崎工場完成、操業開始
1929(昭和4)年 京浜急行電鉄「味の素前」駅開業
1937(昭和12)年 「八幡塚」と「久根崎」の一部が「鈴木町」となる
1944(昭和19)年 京浜急行電鉄「味の素前」が「鈴木町」に改称
1946(昭和21)年 味の素株式会社と社名変更

第2次世界大戦中の駅名変更は、「防諜上の理由」だそうです。それが今に至るようで。非常に入り組んだ歴史ですね。

命短しタグ打て乙女

情報コミュニケーション教育研究会(ICTE)研修会に参加して、知りました。
その場にいらしたかなりの先生が、「メモ帳などを用いて、手打ちで html を作成させている」ってコトを。

今年初めのこの記事を見て、「Web ページ作成は、html の手打ちから始めよう」って思いました。
ネットで教科「情報」日記 : 授業開始~3学期はWebページ作成!

以前は、漫然?とマイクロソフトの Frontpage を使って、何となく作業(?)を開始していたのです。
本年度は Web ページ作成にあたり、最初にメモ帳を使って html を記述させました。

普通教科「情報」ってヤツは、私にとって未だに「謎」ではあります。「何をさせればよいのか、分からない」って点で。本当は「Web ページ作成」なんて、情報科の理念とはあまり関係ないのかも知れない...
情報科は試行錯誤するところが面白いというセンセイもいらっしゃるようです。私も一応同意します。でも、半分は教員としての「強がり」なのではないかと...

自分が授業を受けた「理科」の方がよほど楽です。そして、教えることが面白かったりする。自然科学の方が、「へぇ」が多い気がするんですね、情報科よりも。


で、生徒にとって、「タグ打ち」は面白かったようです。
思い起こせば10年前、私もタグ打ちの楽しさを感じ、シコシコとページを作成したのでしたっけ。
ちょっとした「感動」を味わってもらえているようです。そういった意味では、生徒にとって、一方的な知識の授受になりがちな「理科の授業」よりは、「情報科の授業」の方が面白いのかも知れません。
でも、私は理科の方が好きだなぁ...(しつこい)。

タグ打ちを会得した彼女らは、Frontpage の便利さにちょっと感動したようです。また、タグ打ちを知ることにより、やたらに変な装飾がされたページを作らなくなったように思います。私の思い込みかも知れませんケド。


ってコトで話は戻ります。
研修会で初めて触った Dreamweaver の凄さは理解しました。しかし、あれは私の勤務先では不要ですね。自家用でも不要だ。スミマセン。

この研修内容を端的に表現なされているのはこちらだと思いまっす。

ICTE東京支部 第3回 Webデザイン講習会 - 情報科blog

昨日、プログラミング ・ 情報教育研究会に、2度目の参加をしました。
1日の日記は、それを踏まえて作成していたりします。自分の中での意思確認として。

プ会では、一橋大学の兼宗先生から、お話を伺いました。
『Unplugged Computer Science』邦訳の苦労が偲ばれました。
あの本は、おもしろいです。しかし、内容に無理が感じられる部分がありました。

訳者の兼宗先生も同じような感覚を持たれていることを知りました。たぶん、執筆者本人 Timm Bell 氏も、「ちょっと、無理はあるけど、とりあえず本にしちゃえ!」ってところはあるんだろうと思いました。


ドリトルはそのうち試してみようと思います。
作者本人からお話を伺えたことは、大変有意義でした。


で、おもしろかったのは、兼宗先生も含め、NOKIA 好きが多いらしいということですね。
名前を存じ上げない方も、NOKIA 持っていました。懇親会に参加されていたのは12名だったのですが、(ごくひっそりと座っていただけの)自分を含め、少なくとも3名のユーザーが居たわけです。とりあえず25% ...濃い。
私が使用しているのは 705NK なワケですが、もうすぐ買って2年経ちます。単純に買い増しするにとどめるか、予備も買っておくか... ちょっと悩んでいます。

20081203.png
この SciencePortal 内の記事を見て、昨日のことを思い出しました。
かなり、違和感を感じる記事です。このサイト、普段はかなり本格的な科学記事しか出ていないから。

昨日、東京私立中学高等学校協会が主催する講演会に行ってきました。

日時 平成20年12月6日(土)午後4時 ~6時
会場 開成中学高等学校 荒川区西日暮里4-2-4 電話:03-3822-0741
演題 「天気予報は見て貰ってなんぼ!」
講師 木原 実 氏(日本テレビ天気コーナー担当 他)

スミマセンが、実は私は木原さんのやってる天気予報って、あんまり見ていないのです。
朝テレビ見るなら「めざましテレビ」であり、夕刻は大体 NHK にチャンネルが合っている場合が多いから。
NTV の番組、時々見るコトもありますが、「周りのコドモがうぜぇなぁ」って思ってしまうのです、スミマセン。


話を聞いていて、「へぇ」って思った点をいくつか。

・NTV の天気予報は「グリコのキャラメル作戦(おまけの付加価値で勝負)」である。
・木原さんの周りに群れる子供は、小学6年生以下である。(年齢が上がると、奇を衒ったりし始めるため)
・NTV には、13名の気象予報士が詰めている。
・NHK の「冬将軍」は何故に和風なのか。(冬将軍とはナポレオンが苦戦したロシアの寒気だから、洋風では?)
・天気予報の「所により」は、降水が予想される面積が、指定された地域の1/2以下(未満?)となる場合。
・旬のキュウリの生産エネルギーは996kcal/kg、ハウスものは5054kcal/kg(こちらが元ネタ)


全体で2時間の講演だったのですが、話術も巧みで、一気に終わってしまったように感じました。
お人柄としては、真面目で勉強熱心であり、バランス感覚の優れている方だなぁ、って思いました。偉そうでスミマセン。

ひまわりが古くてヤバいって話も出ました、私はこちらのサイトを見たので、知ってはいました。
ひまわりの陰で - BI@K accelerated: hatena annex, bewaad.com

ご存じなかった方(教員)は、結構居たようです。

また、私も以前から思っていたこととして、

・夜の晴天は、月が出ない場合(たとえば新月)もあるのだから、月の絵が晴れのマークなのはおかしい。

ってのもおっしゃってました。激しく同意します。ま、どうでも良いことでもありますが(笑)。


講演の最後は「地球温暖化」に話が及びました。様々な書名を紹介してくださいました。今後、いくつか読んでみようと思うものがありました。

木原さんは最後におっしゃっていました、「勉強するほどに"地球温暖化"は複雑で分からなくなる」と。激しく同意します。
「分からないことが多いからこそ、勉強は必要なのだ」とおっしゃっていました。しかしまた、気象(特に日本風の「侘び寂びチック」なもの)に興味を持つ小学生中学生が居るわけもない。小学生は、気候の変化に風情を感じるよりも、目の前の木を登るのが普通だ。ともおっしゃっていました。確かに。

今後はなるべく、NTV を意識的に見るようにしようと思います。ミーハーだから。


余談です。
『舞妓Haaaan!!!』って、すごく面白い映画だと思います。テレビ放映で見ました。
あれは、NTV 所属の社員が、NTV のシゴトとして作成した映画だそうです。『252 -生存者あり-』も、同じ系列の映画だそうですわ。
でも、私は映画館に行かないのですね、全然。スミマセン。


私の「地球温暖化」関連の日記はこちらです。木原さんとは、話が合いそうに思います。勝手に親近感。

先に白状しますと、たびたび意識を失いました。
しかし、意識を保とうとする努力は続けました。
お話は面白かったです。
生物科の教員にとっては、部分的に難解な用語・概念があったんじゃないかと思います。


ネット上で検索しても、私が本日お聞きした講演の話題は出づらい。
ってか、「埼玉県高等学校生物研究会」で検索して知りましたが、この団体の公式(?)サイトは無いのですね。
改めて、「都生研(東京都生物教育研究会)」のナベタセンセイは偉いと思いました。


具体的には、以下の講演会に行ってきました。
2009年5月27日(水)埼玉県高等学校生物研究会講演会「新しい生命進化論:銀河からゲノムまで」 | 都生研 blog

自然科学を、(なるべく)広く深く知ろうとしている私は、クバプロ(ま、この団体の活動資金の出所も怪しいがなぁ...)の『第13回「大学と科学」生きている地球の新しい見方-地球 生命 環境の共進化-』を自腹で買いました。もう10年近く前なのでしょう。

その本(講演録?)の著者の一人であらせられる「丸山茂徳氏」は、妙に印象に残っていました。
内容が面白かったからだと思います。


上記「都生研」のメール経由で知った講演会、本日行ってきたわけです。


センセイの話を聞いて疑問に思ったコトに

「(太陽系の属する)オリオン腕は、他の腕に対して、明らかに異なる運動をしている」ってのが前提の話題がありますが、そのハナシは確かなのですか?

ってのがある。
部外者&居眠りする生徒だったから、質問しませんでした。

「オリオン腕は、銀河系の他の腕からは分離していて、独自の運動をしている」ってのは、どこかで見たことがある。
帰宅してググってみたけど、今のところ見つけられません。

銀河の「腕」って概念自体が、これからは消えていく気がするのですね。力学の結果としての「構造」があるだけで、「腕」はその「スナップショット」なんじゃないかと思うのですよ。
大体、「銀河系は"棒渦巻き"カモ...」って話もありますし。

今、さらに気づいたが、ダークマターと銀河系の(オリオンその他の)腕の関係が、「今日お聞きした丸山理論」ではまったく無視されている希ガス。


でも、プルームテクトニクスって概念は、鉱物学の実験と地震波の解析に裏打ちされている(と思える)から、そちらは信用します。(偉そうな私)


めちゃくちゃに"log"ッスね。

繰り返しますが、全体的には大変勉強になりました。
丸山センセは59歳には見えませんでした。若い。

既に10日前の話です。
私が参加を決めたのは、この一節によります。

当館が指導者向けに貸し出している標本を用い、その利用法について解説します。


セミナーの最後に実習を行いました。
標本はそれなりに頑丈に作ってあるようですが、それでも中学生や高校生、30数名(1クラス)に手渡すのは恐ろしいと思いました。
セミナーの場では、主催者の側から「標本を机の上に落とさないでください」っていうアナウンスがありました。にも関わらず、バッチリ標本に衝撃を与えていらっしゃる方が居ました。理科の教員すら、そんな状態です。生徒じゃ、まずダメでしょう。私は職場の生徒に壊してもらえる自信があります。
意識が高い生徒が集まる選択授業か何かだったら、使い途もありそうです。

貸し出しは以下のサイトで行えるそうです。
各種手続き・報道関係資料 ≫ 学習用標本貸出 :: 国立科学博物館

セミナー中、主催者の側から「これらの標本の貸し出しは無料です」という話がありました。
終了間際の質疑応答で、「送料はどの程度ですか?」という鋭い質問がありました。私は借りようと云う気も無くなっていたので、そんなことは考えていませんでした。
博物館の方曰く、「重さにも依りますが、およそ往復で7000円前後かかります」とのこと。費用高すぎ ...orz


そのセミナーの場で頂いた資料の一部と同じものが、以下のサイトにあります。
高等学校生物教育のための人類学知識の参考資料
昨日、やっと読み終えました。


そのセミナーで一番「なるほど」と思ったのは、以下のコトバです。

進化とは...
生物集団内で世代を超えた 遺伝子頻度変動の連続課程である

そのフレーズを教えてくださったのは、太田博樹センセイという方です。
生物をある程度勉強してないと、上に示した文は、全然意味が分からないものだろうと思います。と、勝手に偉ぶる。


遺伝に於ける「中立説」というものを唱えた、木村資生(きむらもとお)って方の著作に『生物進化を考える』という新書があります。(アマリンク)
私の職場のセンパイに、生物が専門の先生がいらっしゃいます。その方の「授業プリント」か「研修報告(夏休みのヤツ)」に「参考文献」として挙げられていた記憶があります。生物学に弱い私は、先輩の勧める本を買って読んだわけです。10年以上前。
この本は、高校レベルを超えた「遺伝」を知るには良いと思います。教員生活初期に読んで良かったと思います。
この本を読まねば、ドーキンスの本も、今回のセミナーも、浅い理解で終わったハズです。


この研修会を知ったのは、やはり「都生研」経由でした。
NHK 学校放送の「生物」に出演なさったことがあるセンセイが、複数名いらっしゃいました。有名人に会った気になります。

真面目なフリをしている手前もあり、昨日は東京私立中学高等学校協会が主催する「講演会」に行ってきました。

日時 平成21年12月4日(金)午後6時~8時
会場 開成中学高等学校
演題 「活断層図ってどうやってつくるの?」
     <日本の地震災害と、首都圏の地震防災について>
講師 中村洋介 氏(立正大学地球環境科学部 環境システム学科助教)


以下は覚書です。

---(中村氏のおっしゃる)活断層の定義---
第四紀後期(おおよそ約12万年前~現在)での活動が認められる、マグニチュード7程度の震源断層(の延長)が地表へ出てきたもの
最後の質疑応答にて : 何故12万年前以降と定義? →それ以前は「活動性」の検証が難しいという面があるためでは無かろうか


---活断層の見つけ方---
基本的に航空写真から見当をつけ始める
段丘面を切るような構造などが10km以上続く場合、上記定義の「活断層」に該当する可能性が出てくる

---身近な活断層---
過去、立正大学熊谷キャンパスは、川の活動によって形成された崖線を跨ぐ形で立地されていると考えられていた
→崖線の上下の火山灰層比較の結果、崖のような構造は逆断層形の活断層によって形成された可能性が高いことが判明
日本の県庁所在地の大半は、活断層によって生じた平地の上にある

---活断層の「何」を調べるの?---
1.位置・長さ(≒地震の規模)
2.種類・分布形態(→地下構造を類推)・セグメンテーション
3.過去に地震が起こった時期
4.活動性(平均変位速度:AA級~C級)・再来間隔

---活断層調査三種の神器(と言われたもの)---
トレンチ調査(メッチャ金かかる:数千万~億?)
・大規模ボーリング
反射法地震探査

---博士論文作成時の苦労話---
富山平野のボーリングは辛かった
 地下数mまでのボーリングは、打ち込みこそ機械式だが、引っこ抜くのは人力
 →それを論文に載せた分だけでも数十本
そして、その分析がさらに大変だった
 磁化の状態を数cm~数十cmおきにサンプリングし、ある程度「当たり」をつける
 →超音波をかけつつメッシュにて鉱物を拾い出す
 →光硬化剤を用いて鉱物の薄片を作る
 →屈折率を元にして広域テフラを同定
ヒマな学生時代だからこそ、できたことだろう

---参考となりそうなサイトの紹介---
土木学会 斜面工学研究小委員会
http://www.jsce.or.jp/committee/jiban/slope/

地震調査研究推進本部 活断層の追加・補完調査について
http://www.jishin.go.jp/main/chousakenkyuu/tsuika_hokan/


感想
そもそも、活断層は「航空写真から探す」という点に驚きました。
中村氏の博士論文作成の話を聞き、実際の地理学・地質学の研究は非常に大変であるだろうことを思い出しました。
自然科学の研究は、体力と根気の勝負です。私の知る狭い範囲では。

「理化」は「理科」ではありません。
昨日、表題の大会に行ってきました。@都立上野高校。

職場の上役に最近よく言われるのです。「研修に行ったら、それを還元しなさい」と。
自分が聞いた話、見た事を、オシエゴに還元するのは簡単です。そのための時間と機会はあるだろうから。雑談の一部に紛れ込ませたりして。しかし、研修で得た事を同僚に伝えるのは、なかなか難しい。こっちも、向こうも、忙しいですから。

自分が費やした時間(昨日の場合は途中参加だったので約2時間)の半分でも使えれば、そこそこのコトは同僚に伝えられるでしょう。しかし、私が面白いと思った事でも、同僚が面白いと思うかどうかは分からない。とりあえず今回は、自分用と同僚用(理科の回覧に回してもらう)として、配付された資料を二部ずつ貰ってきました。

大体、研修や授業というのは、"face to face"で行われるから、伝わる「ナニカ」があるはずなのですよね。書物だけで全てが伝わるのなら、そもそも「学校」の存在意義は無いわけで... って、上役には言いませんけどね。で、とりあえず、出張報告の下書きとして、このエントリを作成してたりします。


では覚書を。

世の中には「高真空用グリース」というものがある。
私の職場では、今まではワセリンなどを用いていました。上記グリースは粘度が低いため、様々な化学実験にも有用らしいです。エーテルなどの蒸気圧を生徒に「体感」させられるそうです。面白そう。

ある学校では、発泡入浴剤の材料となる試薬の「最適な質量比」を求めさせるため、実験方法から考えさせた。
なかなか面白いと思いました。

"Turning Point"というツールがあり、パソコン(とパワーポイント)があればリアルタイムにアンケートを行える。
カード50枚とレシーバーで40万円ほど。
カードはアメリカで買えば2,000円/1枚だが、日本の代理店経由だと6,500円/1枚となってしまう。
集計のためのソフトは、無料でダウンロード可能。
オラも欲しい。楽しそう。

過冷却状態の水に、「種結晶」を入れた場合、ヨウ化銀と氷では、生じる結晶の見かけが違う。
「結晶系」となどという語句を聞くと、大学時代を思い出します。「結晶」や「相」ってヤツ、何となく惹かれます、謎が多いので。

10月1日の土曜日、都立国立高校にて顕微鏡の仕組みと種類を教えていただきました。とても有意義な研修でした。主催は「東京都生物教育研究会」でした。通称「都生研」
テーマは「今更聞けない顕微鏡の使い方 ― 顕微鏡の扱い方をマスターしよう」でした。

オリンパス株式会社の方がいらっしゃり、いろいろと詳しい話を聞けました。
研修内容を都生研配信メールから引用します。

(1)学校にある顕微鏡の「いろは」
・顕微鏡の種類と利点、欠点
・顕微鏡の基礎基本
  正しい表現など・・・「同高焦点」という言葉はない? など。
・記載されている数字等の意味
・メンテナンス など

(2)実践研修
・プロから学べる顕微鏡の上手な使い方
・1つの材料でも、工夫次第でこんなに見え方が変わる
 →暗視野、偏光板等の利用など
・顕微鏡観察のコツやテクニック

(3)意見交換会
・各学校の顕微鏡実習の実践例
・各学校の顕微鏡実習のプリント紹介

※講義と実習を交えた研修会です。
※各学校で実施されている顕微鏡実習に関する資料を30部ご持参ください。

久しぶりに「都生研」の研修に参加させていただくので、言われたとおり真面目に「資料」を持参しました。しかし、生物が専門の方々に実験プリントを披露するのも恥ずかしい気がしたので、持ち帰ってきてしまいました。そもそも、誰も実習資料を配っていた気配はなかったし...。
一応ここから、私が作成した「ミクロメーター絡みを含む画像」へのリンクを張っておきます。


以下は研修を受けての感想です。

まず、とりあえずは(現存するならば)勤務先の顕微鏡マニュアルを見なければならないと思いました。オリンパス製の、結構良いもの(CX21を筆頭とする)を入れてあるのです。

しかし、今回改めて気づいたのは、私が生物を担当したのは5年前が最後だと云うコトなのです。前述の実験プリントを用意している際に気づきました。
現在、専任だけでも本校理科は物理1・化学3・生物2・地学1という布陣になっています。本年度の非常勤講師の方は物理1・化学2・生物3・地学0です。私が今後生物を担当する可能性は、かなり低いと言えましょう。中学理科の生物は「2分野」として担当する可能性もありますが。(私の担当は、昨年が中2の2分野と高2理科総合B、今年は中3の1分野と高2理科総合B)

と言うことで、次回いつ顕微鏡を扱うかは謎なのですが、その際は顕微鏡に記された文字と色の意味を片っ端から調べる必要を感じました。特に、コンデンサと絞りについて、もっと注意深くなろうと思いました。

また、私は良い(=マニアックな)先輩を持っていたことに、改めて気づかされました。生物の授業プリントの一部は、その方から頂いたものを修正しながら使用しています。
その先生(北島一良氏)はもう退職なさっています。生徒用として、上記顕微鏡群をじわじわと揃え始めたのも彼です。
10数年前、彼は嬉々として「『数十万円の顕微鏡』があるのです」と私に語ってくれました。「微分干渉」と言っていたはずです。
その価値を多少認識しました。

CASIO 潜入

都高情研「2011年度 第3回研究協議会」に参加してきました。

忘れないうちに、印象に残ったことを記します。

初期の計算機「14-A」は
・昭和32(1957)年発売
・140kg、45万円也
・国立科学博物館に置いてある
http://casio.jp/dentaku/info/history/beginning/

液晶付きデジカメ「QV-10」は
・前身のプロトタイプ愛称が「暑子」と「重子」だった(その性質から)
・CESにて、ビル・ゲイツが絶賛(したらしい)

言わずと知れた「G-SHOCK」は
・研究所(羽村にあるそうです)の3階のトイレの窓から投げ落とすテストが行われた
・「10年電池が保ち、10気圧に耐え、10mの落下(羽村のトイレレベル)に耐えうる」というコンセプト

ぶっちゃけ言いますと、カシオの方のお話や展示室見学も面白かったのですが、都立高校の情報科の先生の「同定」作業が進んだことが、私にとって有意義でした。
お顔と名前が、今ひとつ一致していなかったんですよね、部分的に。

現存するサイトを並べさせていただきます。
私もかなりお世話になったサイト群です。並び順は飲み会の際、私から見ての右側から。

情報科blog
情報科雑感2
情報科作業日誌


ま、一番私にとって衝撃だったのは、CASIOは樫尾さんが作られた会社だということでした。
ニホンの会社だとは知っていました、念のため。

試験前で部活動の指導(「近年は普段から特に指導なんてしていないだろう」というツッコミを自分から入れる)も無かったので、株式会社内田洋行主催の「プログラミングワークショップ」に参加してきた。副題?は「レゴ®マインドストーム®EV3を使ったワークショップ。初めての方大歓迎です。」である。

私は、一応「情報科教員免許」を持ってはいるが、ここ数年間行使していない。ま、情報科よりは理科の授業を展開する方が楽しい。だから、問題は無い。
で、情報科の世界?には、"lego mindstorms"という「アイテム」があることは知っていた。で、触れたことが無かった。そもそも「お高い」らしいことは聞いていた。で、それに触れる研修は、都合がつかないことが多かった。

今回、ちょうど「無料」でやってくれるってコト、職場出入りの内田洋行の営業氏からメールを貰って知った。

結構楽しかった。

lego mindstorms の動作を二人一組でプログラムしているとき、頼んでもいないのに説明してくださる方がいた。ま、有り難いのだが「自分で探しますけど...」と思ったりもした。「人の振り見て我が振り直せ」と思いましたね、何度も。
自分自身は「抑制的(?)」なスタイルの教員だと思っているのだけど、本当に「生徒が必要としている時に、適切に声をかけているか」ということを、気にすることにしました。今日ね。

その研修は定員20名だった。
プログラミングでペアになった方、静岡県からいらしたということだった。私は都内在住勤務であります、楽しててスミマセン。
で、その方は授業では「ロゴ坊」というのを使っていらっしゃるとか言ってた。「ロゴボウというカネムネ先生の作られた...」という話を、一通り研修が終わった後に聞いた。カネムネ先生は知ってる。兼宗先生だ。「兼宗先生は知ってます。ドリトルを作られた方ですよね」って、一応知識?を披露しておいた。
さっき、とりあえず「ロゴ坊」をダウンロードしておいた。無くならないうちに。


私は「プログラミング」を学校で習ったコトは無い。ヒトに習ったコトも無い。本を買って多少勉強した。また、学校でコンピューターに触れたこと自体がほとんど無い。大学で少し触れたくらいだ。1990年前後に。
大学での化学実験で「滴定がどれほど正確に行えているか」という判定に際して、(多分BASICで組まれた、教官か研究室の学生が作成しただろう)判定ソフトの世話になったことがある。その経験は、理科の実験で生かす場合がある。やはり、物理や化学の実験では、「即座に判定・グラフ化する」という用途で、ノートパソコンとエクセル、そしてプロジェクター等を用いることがある。
同じく、大学の地学実験の授業では、BASICにて組まれた「データをプロットするプログラム」を模倣する実験?があった。その技術は「卒論発表」で使わせて頂いた。
「実験データを画面に映す」→「画面のハードコピーをプリンタに出力」→「大学生協のコピー機を占領し、OHPシートにコピー」→→→「卒論発表」したっけなぁ...。
ま、今はエクセルとパワポで簡単にできることでしょうけど。


「レゴ®マインドストーム®EV3」は、一式52,000円だそうだ。やはり、安くはない。
自分のおもちゃにするには高いし、そもそも遊ぶ暇も無い。職場の教材として買うには高価すぎる。そして壊されそう。
もし、自分の子供が「欲しい」と言ったら、買っても良いかもしれない。けど、そんな「アイテム」を自分で見つけることは、まず無いだろうな。


関連する過去の日記
ドリトル、マジ半端ねぇ(2009年1月)

東京私学協会・私学教育研究所主催「理数系教科教育研究会(理科・化学)『見学会』」である「新元素・超重元素研究の最前線 理化学研究所を訪ねる」に参加してきた。

この「仁科リニアック棟」の一角(写真の建物のさらに左奥らしい)で、113番元素の検出が行われたそうだ。
2016070501.jpg
今回、主に見学したのは、この建物に収まっているらしい、113番元素のための「亜鉛」を加速したという『線形加速器』ではなく、隣の建物「重イオン加速器施設『RIビームファクトリー(RIBF)』」 に収まっている円形加速器(リングサイクロトロン)であった。
私が和光の理研を訪れたのは、2回目である。前回の訪問も私学教育研究所あたりが行った「見学会」だったように記憶している。その時は、いろんな研究室を見学させて貰った。そして、帰宅して気づいたのは「腕につけていたクォーツ時計が劇的に遅れていた」ことである。強力な磁界の中に身を置いたことがあったため、そのような現象が起きたと解釈した。

今回の見学で、私は「サイクロトロン」と「シンクロトロン」の機構の違いを、やっと理解した。厳密に言えば、なんとなく「絵面」をみてぼんやりとは理解していた「違い」が、見学時に説明してくれた方(お名前は失念した)の話でキッチリと分かったということだ。
線形加速器は筑波で見たことがあり、シンクロトロンはJ-PARCで見たことがある。


これがその「超伝導サイクロトロン」である。
2016070502.jpg
強力な電磁石を収めるため、それもやたら強い電磁石の「N極6個同士」、「S極6個同士」をきちんと配置するために、「東京タワー2つ分、8,000t超の鉄の塊」となっているそうである。

スペックはこの「銘板」にある程度書いてある。重さの部分が飛んじゃって写ってないけど。
2016070503.jpg


聞いて面白かった話を羅列する。

・FMラジオ局程度の周波数と出力を用い、陽イオンを連続的に加速している。
・夏場は電力が逼迫する季節なので、電力を食う加速器はメンテナンス時期となることが多い。
・この加速器では、ウランを適当な原子にぶつけて壊すことにより、「中性子過多の原子核」や「陽子過多の原子核」を作ることができる。

113番元素についても話を聞いた。

・ビスマスに亜鉛をぶつけるが、その速度が重要であった。速すぎれば単純にぶつかって壊れるし、遅すぎると反発してしまう。計算上「ちょうど良い速度」となる「光速の10%」で衝突をさせ、3回だけ観測された。

で、今改めて科研のサイトを見てみた。
3個目の113番元素の合成を新たな崩壊経路で確認 | 理化学研究所

ここが凄いと思った。

3個の278113の発見までに、2003年9月5日の実験開始から照射日数は通算553日、照射した70Znの総量は1.35×1020個(重さにして15.8 mg)を費やしました。

使った亜鉛原子の数は多い。そして、当たり前だが、軽い。


ああいう「重厚長大」なものって、見ていて面白いことは面白いですね。
パンフレットやポスター、下敷きなど、お土産を貰いました。でも、思えばその金の出所は税金なんだけどね。


過去の関連する日記
新元素113(2016年1月)

チバニアンと地質学

先週末、表題の研修会に参加してきました。主宰は東京私立中学高等学校協会です。都合がつけば、年に1回開催されるこの「地学の講演会」には参加しています。また、理科以外の括りでも、有意義な研修を行ってくださっています。例えば、このへん
5/19(金) 実施 環境「放射能汚染地図の今」 « 東京私学教育研究所
http://k.tokyoshigaku.com/seminar/seminar-kenshu/seminar-kenshu-kankyo/2495/

とか、このへん
7/31(火)実施 技家「講演会①」のご案内 « 東京私学教育研究所
http://k.tokyoshigaku.com/seminar/seminar-kenshu/seminar-kenshu-senmon/3013/

とか。

特に「放射能汚染地図の今」という研修会は、とても印象に残っています。参加したレポートを作成しようと思いつつ、既に1年以上経過してしまいました。内容が豊富で多岐にわたり、かつ軽々には論ぜない内容であるため、レポート化できずにいます。


今回は以下のような内容でした。

日時 平成30年12月7日(金)18:30~20:30(予定)
会場 アルカディア市ヶ谷(私学会館)会議室
講師 岡田誠 氏(茨城大学理学部 地球環境科学領域 教授)
演題 「チバニアンと地質学」

以下に覚書を。

---地層に残る「地磁気強度」---
地層(や氷床コア)に残る10Be(ベリリウム10)の量によって、当時の地磁気の強弱(N,Sの極性は分からない)についての情報が得られる。太陽系外からやってくる宇宙線の量は、地球磁場が弱まった場合に増える。これらは大気中の酸素、窒素原子を破砕し、結果として10Beとなる。

---「地質時代」の決定法---
1976年までは、「特定の時代の模式的な地層」が決められていた。(「どこから始まり、どこで終わるのか」が不明瞭だった)
1976年以降、「特定の時代が『始まる』境界」を決定する方式に改められた。その「始まり」に「ゴールデンスパイク(画像ググリンク)」が打たれることになった。
参考
日本地質学会 - 地質系統・年代の日本語記述ガイドライン
http://www.geosociety.jp/name/content0062.html

---「ゴールデンスパイク」が打たれる条件---
・連続的に海底で積もった地層であること(通常は泥岩)
・示準化石などが産出すること
・地層の変形が少ないこと
・アクセスが容易なこと(割と重要な点であるらしい)
など

---「ゴールデンスパイク」の永続性---
スパイクの場所は10年後に「見直し」が可能になる。そのため、スパイクの位置が変更になる可能性も残る。ただし、いちど「地質時代」の名称が設定されれば、それは不変である。(チバニアンという名前が採用されれば、ゴールデンスパイクがどこに打ち込まれようとも、チバニアンという「地質時代の名称」は今後変わらない)

---17O(酸素17)について---
酸素17は、太陽からの距離によってその存在比が変動する同位体である。月の成因とされる「ジャイアントインパクト説」の補強にも使われた技術である。

---有孔虫について---
単細胞生物のくせに、殻にある口から針を出し、ミジンコなどを餌とする場合もある生物である。(私は、「生物としての有孔虫」について、今まで全く興味を覚えていなかったことに気づかされた)
参考(科博のサイト)
有孔虫
https://www.kahaku.go.jp/research/db/botany/bikaseki/2-yukochu.html

---堆積物の磁性強度について---
場合によっては、直流電源を用いている地下鉄の床に「サンプル」を短時間置いただけで、泥岩中の残留磁気は上書きされてしまう。

で、今回まで私は知らなかった話があった。
千葉時代(チバニアン)の解説
https://sites.google.com/a/nipr.ac.jp/chibasection/Home

の末尾にもあるのだが、

市原市田淵の現地(千葉セクション)に展示してあります全ての看板・標識等は,我々が設置したものではなく、我々の研究活動およびGSSP申請活動とは一切無関係です。

ということらしい。

別ページ
「千葉セクション」の国際標準模式地認定へ向けた審査状況について - 千葉時代(チバニアン)の解説
https://sites.google.com/a/nipr.ac.jp/chibasection/Home/tian-yuanno-lu-touno-hang-biao-shinitsuite

に書いてあるが、あの看板は「古関東深海盆ジオパーク認証推進協議会」なる団体?が設置したものであり、講演をなさった岡田誠氏の所属する「千葉セクションGSSP申請グループ」とは異なる団体なのだそうで。

また、
「チバニアン」斜面に見学用コンクリ階段 市は困惑:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASL223T3WL22UDCB00F.html

にあるように、私がこの夏に利用した「階段」についても、「申請グループ」の方々は苦々しく思っている様子であった。

んー、大変ですねぇ。


この講演会自体は色々と初めて聞く話も多く、大変ためになりました。ここ数年間の東京私立中学高等学校協会(≒東京私学教育研究所)主催の「地学の講演会」では、一番面白い内容でした。


過去の関連する日記
模式地がパワースポットぉ?(2017年7月)
にっき(2018年8月)

ここにあるのは、過去に書かれた日記のうちで研修報告カテゴリに属しているものです。

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