私が読んだのは「初版」である。一応アマリンクを。
その版の「訳者あとがき」には、「20001年」とあった。当然、本来は「2001年」とすべきところだろう。
ネット上には、同じツッコミをしている方がいらした。
以下は、自分用のメモ。
「6つの数」の大きさとその定義、それに伴う効果・影響・結果などを。
なお、私の誤解が含まれている可能性が多分にある。
N(10の36乗):クーロン力/万有引力
→原子どうしの結合様式や恒星等の大きさ
ε(0.007):陽子2個の質量+中性子2個の質量-ヘリウム原子1個の質量(核融合効率)
→元素の種類数や恒星の寿命
Ω(0.3?):臨界密度=重力エネルギー/膨張エネルギー(原子だけ考えると0.04に過ぎない?)
→ダークマターなどの存在?
λ(ごく小さいが、0では無い):反重力(ダークエネルギー・宇宙定数)
→宇宙の進化を方向付ける?
Q(10のマイナス5乗):重力でまとまっているものを散らばらせるのに必要なエネルギー/その構造の静止質量エネルギー(mc²)
→宇宙の大規模構造を決定した「インフレーション」に由来?
D(3) 我々の世界の次元(dimension)数
→何故、その数なのか?
改めてその意義(?)を知ったのは、"ε"である。
「核反応(融合でも分裂でも)」は、質量欠損が起きることは知っていた。そして、その際には、失われた質量m(kg)に、光速c(299,792,458m/s)を2度掛けたものに相当するエネルギーE(J)が発生することも。
かの有名な"E=mc²"である。アインシュタインが導いたという。
ヘリウムの材料である「陽子2個と中性子2個」の質量を1とすると、核融合の結果生じるヘリウム原子1個の質量は0.993となり、0.007(0.7%)の質量が失われる。そこまでは聞いたことがあった。
で、この本が言うには、この値が0.8%であっても、0.6%であっても、『この世の中』にはならないそうなのである。この値は『ビッグバンで生じた水素原子の23%がヘリウムとなった』ことにも関わっているらしい。
地学(基礎)の教科書であれば、「初期宇宙は(原子数で)水素が93%、ヘリウムが7%」と記されている件である。
もう、何の本で読んだのかは忘れたが、この「水素とヘリウムの比が違っている場合、宇宙そのものが違ったものになる」という説を見たことがある。この「ビッグバン直後の元素存在比」があったからこそ、「この(我々の存在する)宇宙」がある、ってハナシだったはず。
今回この書籍に触れることにより、「εの値によって『水素・ヘリウム比』が決まるし、自ずと生成する宇宙全体の性質や行く末(進化の方向)も決まる」ってコトだったのだろうと理解した。
というコトで「曖昧な理解の上塗り」になるのだが、"ε"(核融合効率とも言うらしい)が0.007であることは、重要なことらしいのだ。
その「詳しい説明」は記されていなかった(と思う)。
この書籍は面白いのだが、難解でもある。そして、私の世界が広がったことは確かだ。
また「分からないこと」が増えた。
この書籍は、結構色んな書籍等の「参考文献・参考図書」に挙げられていたのである。やっと読み切ることができた。