Googleアラートで引っかかってきた。
この東京新聞の記事だ。
消防庁が採用前後の色覚検査促す通知 当事者団体が反発
2018年10月30日
色覚による進学・職業差別をなくすため、就職時の色覚検査は二〇〇一年に廃止されたにもかかわらず、総務省消防庁が九月、全国の消防主管部署に採用試験の前後で色覚検査の実施を促す通知を出していたことが分かった。これに対して、当事者団体である「日本色覚差別撤廃の会(荒伸直会長)」が反発し、「通知は、色覚による差別の復活につながりかねない」と見直しを求めている。 (中沢佳子、片山夏子)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2018103002000157.html
これだけだと、「何とも言えないなぁ...」と思った。
職場には各種新聞があるので、現物(新聞記事)を見てみた。
やはり「何とも言えない」のであった。
また、消防庁から出ている「消防吏員の色覚検査の基本的な考え方について(通知)」も見てみた。
ま、通知も、新聞記事上の「撤廃の会」言い分も、どちらも一理あるのですよね。
で、日本色覚差別撤廃の会のサイトを見てみた。実は今まで、あんまり近寄ったことが無かった。私は「色覚検査は必要悪である」と思っているもので。(私の認識では、この会は「色覚検査自体」を無くそうと考えている団体である。なお、私も「差別は減らすべき」とは考えている。)
世の中には「色覚に配慮していないクソなデザイン」がまだまだ多い。そして、この世の中は「急には変えられない」とも思っている。んなわけで、自らの「色覚特性」は、それぞれのヒトが知っておいた方が良いと思っている。
で、その「撤廃の会の公式サイト」は、以下にある。
http://nodaiweb.university.jp/cms/
不思議なアドレスだ。
cms、最初は"Content Management System"かと思ったが、違ったようだ。多分、会の略称なんだろう。
現時点(2018年10月末)で、ほぼトップに置いてある『「消防吏員の色覚検査の基本的な考え方について」に関する要請』を読んでみた。末尾を引用する。基本的に同意する。
http://nodaiweb.university.jp/cms/data/shoubouchou_youseibun.pdf
2 見直しに向けた提言・要請
(2)業務の上で必要不可欠な色識別度を判定しようとする際には、
ア まず前提条件として、職場内に漫然と残存している識別の難しい表示などを徹底的に点検し、厚労省がつとに説示しているとおり、より容易に識別しやすい色使いや色以外の工夫を加え、色のバリアフリーないしユニバーサルデザイン上の改善を図るべきこと、
イ 次に、業務の上で色識別が必要不可欠となる対象物について、上記の改善を図った上で、エビデンスに基づいて厳密に選定・特定すべきこと、
ウ それらの上で、特定された現場の対象物・実物(もしくはその画像)そのものによって、実際的・リアルに色識別力を判定すべきこと(具体的に例示すれば、「色が重要な判断要素となる場合が想定される」と言うところの、合理的にバリアフリー化された上での、危険物を保管するボンベの色やトリアージタッグの色による判定)、
エ なお、採用選考に応募する当事者の便宜のため、上述の画像(写真や映像)を事前に(少なくとも募集要項と合わせて)印刷物やサイト上で開示・提供すべきこと、
などが十分に履行されるよう、早急に本件通知とその説明を改められたい。
東京新聞の記事には以下のような記述がある。
業務との関連性から、「個別の必要性」に基づいて検査を行っているのは航空機パイロット、鉄道運転士、警察官などに限られる。
これらは「就業制限も仕方なし」って認識なんですかねぇ...。その点が疑問ではあるなぁ...。
特にオチは無いです。スイマセン。
難しい問題ですね。