2017年10月アーカイブ

世の中には、翼など無い

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昨日、街中にて中学生の歌声が聞こえてきた。『翼をください』だった。私も、小学生の時によく歌った(歌わされた)曲だ。

当時から思っていたのは「現実逃避が過ぎるのではないか」ということだ。小学生にそう思わせるのだから、そうとう「逝っちゃってる」ように思う。で、改めて歌詞を見てみた。ま、今でもソラで歌えるけどね。

で、しみじみ思った。やはり、お花畑だ。

近年?の「自分探し」に通ずるものがあるように思う。そんな「他力本願」で得られる「パラダイス」なんて、存在するわけないんだって。

似たような歌に『気球に乗ってどこまでも』がある。私の中では、2曲は「同じ括り」にあった。と言うか、ヒステリックな音楽科専科の先生(多分、当時20代の女性)に歌わされた、小学4年の時に。

ま、一応言っとくと、その当時教わった曲は、みな私の血肉になっているとも言える。みな、懐かしい。例えば、オブラディオブラダとか、グリーングリーンとか、アマリリスとか、エーデルワイスとか。
でも、その中でも「胡散臭いなぁ」と思ったのは、「翼」と「気球」の2曲なのである。

で、ググって知ったのだが、『気球に乗ってどこまでも』は、そもそも「合唱曲」なのだと。
知らなかった...。

特にオチはない。
MacBook Airのアップデート待ちでした。

実録山手線

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私はその前の晩、酒を飲み過ぎてしまったようだ。下痢気味だった。新宿や池袋などのターミナル駅は、トイレの個室が混んでいることが多い。そこで、私はとりあえずの目的地を「新大久保」に設定した。
新大久保の男子トイレは、予想通り、それほど混んでいなかった。個室待ちの人間は、私しか居なかった。そもそも、個室の数もさして多くはないが。
排泄が切迫している場合、どうにかして「気を紛らわす」必要がある。経験上、なるべくうんこのことは考えないようにした方が、その後の展開が楽になるように思える。しかし、その日は殊更に「考え事」をする必要もなかった。個室内から咳をする音が聞こえてきていた。
その咳は、あまり聞き慣れないような咳だった。風邪による痰が絡むから、というわけでもなさそうな音だった。
じきに、個室が開いた。ダークスーツを着た細身のお兄さんが、伏し目がちに個室から出てきた。まあ「待ち人」を睨み付けながら個室を出るような人物には出会うこともないし、私も排泄後に「ガンをつける」必要を感じたこともないのだが。
「やれやれ、何とかうんこを漏らさずに済んだようだ」と、私は排泄に取りかかる。が、その個室内が「おかしな状況」になっていることに、すぐに気づいた。個室内のそこかしこに、「血をティッシュペーパーで拭ったような跡」が残っていたのだ。
どうも、私の直前に居た「お兄さん」は、喀血をしていたようだ。しかし、このトイレを使わないという選択はない。私のスーツが下痢便で汚れてしまう。
私は普段以上に、トイレ内の個室の壁などに触れないように気をつけながら、コトを済ませたのであった。手もなるべくきちんと洗った。
結局、その後、私は結核を罹患するようなことはなかった。が、数ヶ月くらいは不穏な日々を過ごす羽目になったのも確かだった。

この話は数年前の出来事である。
今でも、新大久保を通過するときなど、時々あの「細身のお兄さん」を思い出してしまうのだった。彼は今、きちんと日々を過ごせているのだろうか。

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