私が高校を卒業し、大学に入ったのが1989年だった。その年、昭和が平成になった。共通一次試験の最後の年だった。天安門事件が起こり、ベルリンの壁が崩された。その翌年である1990年には、東西ドイツ統一という巨大な出来事があった。
その「東西ドイツ統一」を印象深く覚えている。生中継を見たから。
「生中継」は、九州のひなびた温泉旅館で、徒歩旅行サークルの男4名で見たのである。4月8日の日記「(東)桜島魂不屈の心」を見る数日前のことだ。
温泉の名前は「安楽温泉」だったような記憶があるが、定かではない。確実に覚えているのは「木造で川沿いの温泉宿」「泊まった部屋は2階」「掛け布団が毛布1枚だけでとても寒い」「テレビがある」ということである。
酒を飲みながらだったか、酒を飲んだ後だったか忘れたが、テレビを眺めてた。思えば、男4名のうち、私だけは未成年だったのかも知れない。同学年の1名、後輩の2名とも、浪人生(多浪生含む)だったはずだから。
寒い部屋で、テレビの中の花火を眺めてた。「巨大な歴史の転換点に居るなぁ」って思いながら、テレビを眺めてた。
その後、EUというものができあがった。それは、東西ドイツ統一がなければ、できなかった「モノ」なのであろう。
それがまた、徐々に分解していくのかも知れない。まぁ、分解しないのかも知れない。何しろ、今日も「歴史の転換点」なのだろうなぁ...、って思うのだった。
歴史ってのは、ヒトが作るものである。ヒトは「しばらく経つと忘れちゃう」生き物だと思う。こうやって「行きつ戻りつ」しながら、歴史は刻まれていくのだろう。その先がどうなるかは分からないけど。
EU残留も、EU離脱も、どちらも一理あると思うんですよね。
大英帝国EU離脱のニュースは「自分が被害を受けないと思い込んでる、すごく身近に迫っている台風」を眺めているような、ちょっとしたワクワク感を覚えます、私は。