T先生と梶井基次郎

過去のT先生語録は以下のとおり。

その1・2
その3
その4


暦の上では冬らしいですが、秋口(夏休み後半)にお会いしたT先生とのやり取りを記します。

T先生に最初にお会いしたのは、もう15年前のことです。私が今の勤め先で専任となった年ですね。私の勤め先は、ソフトボールの試合ができるグラウンドがありません。それこそ毎週末、さまざまな場所へと出向いていました。勤め先の先輩に連れられ、T先生の勤める学校のグラウンドに行きました。なお、その思い出のグラウンド、現在は無くなっています。

私の職場のソフト部顧問の先輩と、T先生とは同い年です。また、どちらもかなりな酔っ払いです。そして、同じ国語科担当という事もあり、かなり仲良しだったわけです。そこに私なども混ぜてもらっていました。


T先生は、私が幾度か「T先生語録」として、上に示したような駄文を披露していることを、知っていらっしゃったようです。この夏も「オガワちゃん、俺のことなんかプロフに書いてんなよ」とおっしゃってました。この腐れページ群を「プロフ」と表現するところが、女子高生っぽいと思いました。女子校に勤めるT先生にとって、一番身近なネット環境と言うと「プロフ」なんでしょう。


勤め先の高校の「現代文」の教科書は、梶井基次郎の『檸檬』が収められています。ちくまだったかな? 私が最初に梶井基次郎ってヒトの文章に触れたのも、高校の現代文の授業でした。『檸檬』は定番なようですね。

今年の夏休みに入ったころ、例年のごとくT先生に会うことを思い出し、短編集である『檸檬』を、改めて読み始めました。T先生は、国文学科出身だそうです。以前に、卒論だか修論だか、あるいはその両方で、梶井基次郎について書いたと聞きました。

短編集を読んでいて、この一節が目にとまりました。
『橡(とち)の花 -或る私信-』という作品の冒頭です。(あおぞリンク)

 この頃の陰鬱な天候に弱らされていて手紙を書く気にもなれませんでした。以前京都にいた頃は毎年のようにこの季節に肋膜を悪くしたのですが、此方へ来てからはそんなことはなくなりました。一つは酒類を飲まなくなったせいかも知れません。然しやはり精神が不健康になります。

まさに、「T先生語録その1」そのままです。

で、夏にお会いしたときに聞いてみました。夕刻、飲み屋への移動中、ソフトボール大会会場近くのバス停にて。

「先生って、『肉体の健康は精神の不健康だ』ってよく言いますけど、梶井基次郎から取ったのですか?」と。
「オリジナルだ」とおっしゃるので、カバンから『檸檬』を取り出し、上記部分をお見せしました。T先生も、ちょっと感心したというか、面白いなぁと思ったようでした。「シンクロしてんなぁ」っておっしゃってました。

という、特にオチも無い話です。

ここにあるのは2009年11月10日 22:27の日記です。

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