松浦大悟『LGBTの不都合な真実』

昨日の日記は松浦大悟氏の著作『LGBTの不都合な真実(アマリンク)』を読もうと考えてから記したものである。で、以下は読んでの感想など。

そもそも、上記書籍を読もうと思ったのは、以下のサイトを見たからである。2月の頭だね。
立憲民主党・福山哲郎さん、LGBTの維新の会・松浦大悟議員(元民主党議員)に侮辱的な発言 辻元清美議員は松浦氏が同姓愛者をカミングアウトするも、目も合わせず 松浦氏が民主党内に「性的マイノリティ委員会」を提唱するも、400人の民主党議員で賛同したのは10人 - アノニマス ポスト


第一の感想は「良くも悪くも『秀和システム』だなぁ」というコトである。

松浦氏の主張は分かりやすい。彼の主張に対して、私は基本的に賛意を示す。
最も印象深かったのは、小川榮太郎氏とのやりとりである。とか言って、私は小川榮太郎氏が何者なのか、今も知らないのだけど。
その件にもあった「同性愛者も『制度的に承認』されて安定性を求めたい」という視点は、この書籍を読むまで考えたことが無かった。そして、理解できると私は感じた。

で、秀和システム。
この書籍を世に出してくれたことは素晴らしいと思う。あとがきの末尾に、松浦氏は編集者への謝意を記していた。私はこの本が読めてよかったと思う。
が、編集が甘いと思わざるを得ない。この書籍はもっと読みやすくできるはずだ。


まず「まえがき」からして、やたらに「参照」が多すぎる。松浦氏が「伝えたいことが多すぎた」のだとしても、もっと「参照」を削らせるべきだろう。この書籍をたまたま手に取った人が、松浦氏の言葉だけで「読みたくなる」ように仕向けるべきだ。
また、逆に「松浦氏の思いが文字列になっていない」つまり端折られていると思われる部分が複数箇所存在した。特に「誰かの意見」などを引用(?)している箇所に多かった。数行戻って文章を読み直しても、松浦氏が何を言いたいのか、いまいち私には伝わらないことがあった。まぁ、私の「社会学的素養(別に欲しくないけど)」が足りないだけかも知れないが。

編集(者)について疑問を感じたのは、表記のブレが存在したことが大きい。「ドラァグクイーン」なのか、「ドラッグクイーン」なのか、はっきりしてくれ。
そのような「雑さ」があると、文章の内容にも信頼を置けなくなってくる気がするのはやむを得まい。
まぁ、比較的赤裸々な松浦氏の生活史も記してあり、それらの「ゲイ界情報」は単純に勉強になった。


秀和システムは、それなりに書籍を買ったことがある。で、前にも書いたけど、「初心者向けHTML本」に「pタグもbrタグもほぼ同じだ」とか印刷しちまう出版社なのだった。HTMLに詳しくなってきた頃、秀和システムの恐ろしさ・雑さに後から気づいた。
残念な話ではあるが、秀和システムは今もその流れを汲んで(?)いるように思った。

書籍としては、『LGBTの不都合な真実』は面白いです。

ここにあるのは2023年2月26日 23:43の日記です。

ひとつ前の日記は「同性婚とやら」です。

次の日記は「Bing Wallpaper 礼賛」です。

最近の日記はこちらで見られます。過去に書かれたものはアーカイブで見られます。