高等学校学習指導要領(平成30年告示)より
第10節 情報
第1款 目標
情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,情報技術を活用して問題の発見・解決を行う学習活動を通して,問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用し,情報社会に主体的に参画するための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 情報と情報技術及びこれらを活用して問題を発見・解決する方法について理解を深め技能を習得するとともに,情報社会と人との関わりについての理解を深めるようにする。
(2) 様々な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用する力を養う。
(3) 情報と情報技術を適切に活用するとともに,情報社会に主体的に参画する態度を養う。
この、最初に出てきやがる「情報技術を活用して問題の発見・解決を行う学習活動」、俗に言う「問題解決(学習)」、私はずっと前から嫌いなんですよね。
「齢15,6くらいの人間が、そんなコトできない」と思っているので。
というか、ニホンってクニのお役人だって、自分を含めた教員だって、そんなことは「そうそうできない」と思うのですよ。
ってコトで、ずっと引っかかっていた「問題解決」なのです。
この語句は、最近ほぼ更新されなくなった、あるいは消えてしまった「高等学校情報科担当の先生達のブログ」によく出てきてました。私の記憶では。
「すごーくやりづらいコト」だからこそ、日記に書かれるのであると解釈していました。
で、やっとこさ今年になって、
【第1回】授業実践[1]「情報社会の問題解決」:文部科学省
という研修会(?)が開かれたのでした。何年間、高等学校のヒラ教員達を放置(?)してきたのだろうか、文科省は。
演者である田﨑丈晴先生や小原格先生、情報科発足当初から、都高情研(東京都高等学校情報教育研究会)などで精力的に活動なさっていた知り合いです。
特に小原先生は、ほとんど毎年「授業の見学に来てください」って、都高情研にお知らせを出していらっしゃった。でも、結局私は一度も訪れたことがなかったのでした。町田は遠いし(それ以前の小原先生の勤め先は忘れてしまった...)、基本的に私は理科がメインだし、って言い訳をして。
で、今回の文科省からの「お知らせ」が職場に届いたので、その「記録動画」を見てみました、この間。
小原先生はやはり、真面目で偉いなぁって思いました。私が偉そうに言うのも何だけど。
田﨑先生は年々、徐々に質量が大きくなっていそうな感じです。
小原先生や田﨑先生の苦労は分かるんだけど、やっぱり「問題解決」なんて、情報科の目標に置かなくたって問題ないと思うんですよね。情報の「何たるか」や、それに対して注意すべきコト、「コンピューターの便利さとその限界」などを、きちんと高校生に伝えるだけで良いような気がしちゃうんですよねぇ...。
過去の「解決しているとは思えない問題」に関連する日記
普通教科「情報」不要論(2007年3月)
消えゆく教科「情報」(2007年7月)
「殺すな、盗むな、うそを言うな」とさ。(2007年12月)
改めて文科省を貶す(2009年11月)
「まず高校の「情報」の授業を忘れよう」って、何よ(2015年9月)
「学習指導要領案」は総花的で先送りだらけ。問題解決しようとしてないだろ、お前ら。(2016年8月)
迷走文科省(2017年5月)