紙とデジタルと

スマホをiPhone12miniにしてから、Suicaをそこに吸収した。
「実体」を持つ定期券は、職場近くに居住した7年間を除き、高校時代からずっと使ってきている。
紙製→磁気券→Suica と。
定期券の「実体」が無いことに、最初は不安を覚えたが、もう慣れた。しかし、定期券はずっと右前のポケット、ケータイは左前のポケットに入れて生活してきた。20年近く。
駅の改札の手前で、右前の「空のポケット」に手を突っ込むこと、度々起こる。

他にも「実体」を欲してしまうのは「銀行の通帳」だ。「紙」がある方が安心できる気がする。
とは言え、クレジットカードの明細については、導入され始めた頃から、ずっと「デジタル」にしてしまっている。特に問題は無い。
銀行の通帳も同じなのかも知れないが、今ひとつ踏み切れない。

更に「実体」が欲しい気がしてしまうのは、(学校などで使った・使わせる)教科書や問題集である。
特に問題集については、「解けたか、解けなかったか」を、問題の横に手書きで書き入れるという手法を用いてきた。既に30年以上前、高校受験や大学受験時の話ではあるが。

解けた問題の横にチェック(例えば"/")を入れ、解けなかったものはそのまま。全ての問題にチェックが入ったら、もう一度頭から全ての問題を解き直す... と。その場合は新たに"/"を横に書いても良いだろうし、"×"としていっても良いだろう。何しろ、紙の冊子の問題の横に「解けたチェック」を記入していった。その「厚み」が手に取れるのが良いのである。自信に繋がる。
少なくとも化学(セミナー化学)と地理の問題集(書籍名は失念したが、それほど分厚いものではない)については、大学入試の二次試験までに3周以上解いた。全て解けるようになった。特に化学については『セミナー化学』を完璧に解けるようになったのは、自信となった。まぁ、以前にも記したけれど、問題集に出てくるような「有効数字3桁」みたいな実験は、そうそう遂行できるものでは無いが。


なんてなコト(問題集は「デジタルベース」よりも「紙」が良いなぁ)あたりを、隣席の理科教諭(♂:私より2まわりくらい若い)と話した。彼も「問題集は紙が欲しくなる」と言っていた。

のであるが、彼と話しているうちに気づいた。

テレビゲームには「紙版」などは存在しない。
しかし、私は「ドラクエ2」や「ゼルダの伝説」や「スーパーマリオブラザーズ2」や「エースコンバット3」や「マイクロマシーンズ」や「みんゴル2」を自力で完全にクリアしたし、その事実は消えない。忘れない。
と、いうことは、もしかすると「問題集」も同じなのかも知れないね、って。

そのこと(テレビゲームに「紙版」は無いけど、ちゃんとやり遂げた達成感は残る)に気づいた(?)のは私であり、同僚も「確かにそうかも知れませんねぇ...」「とは言え、やはり問題集は紙の方が...」という話になった。
私も、問題集は紙を所望する。

しかし、もしかすると、世代によっては「紙製の問題集」は不要であり、スマホやタブレットの中に問題本文や図版が置いてあり、管理するアプリが「全部解けたよ」と言ってくれれば、コトは済むのかも知れない。

私にはピンと来ないけどね。

ここにあるのは2021年4月16日 18:36の日記です。

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