ビッグバンに至る「宇宙論の形成過程」については、基本的に知識を持っていた。
また、『ビッグバン宇宙論』という、日本語版の当初の書名も記憶にあった。サイモン・シンという著者の名前は知らなかった。
もう、どなたのブログだったのかよく分からないのだが、私が読んでいるブログ群の中に「サイモン・シンの『宇宙創成』は面白かった」という記述があった。確か、昨年の半ばだった。
で、今回読んでみる気になったのだ。
確かに面白い書籍だった。
訳者が後書きに記している。
「ビッグバン本ならすでに十指に余るほど読んだよ」という人にも、いやそういう人ならばなおのこと、ぜひ本書を読んでいただきたいと思うのだ。
細かい、今まで知らなかった人物や、そのドラマが記されている。
特に印象に残った点を何点か。
-上巻p.292あたりから-
セファイド(変光星)の研究に深く関わったジョン・グッドリックという人物について
-上巻p.303あたりから-
エドワード・ピッカリングの率いる恒星の光度・スペクトル分析チームの存在、そこに所属したウィリアミナ・フレミング、アニー・ジャンプ・キャノン、ヘンリエッタ・リーヴィットなどの功績について
-上巻p.327あたり-
エドウィン・ハッブルなど、およそ100年前の天文学者に必要だった身体的な苦労について
-下巻p.160あたりから-
セファイドが種族Ⅰと種族Ⅱに分かれることを見出し、宇宙の年齢の再算出に大きく貢献したヴァルター・バーデの功績について
アマリンク貼っておきます。
宇宙創成(上) (新潮文庫) | サイモン シン, Singh, Simon, 薫, 青木 |本 | 通販 | Amazon
宇宙の歴史について興味がある方にお勧めします。