『桶川ストーカー殺人事件―遺言』からピエール瀧を思う

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『桶川ストーカー殺人事件―遺言』

職場のとある教室、本棚に置いてあった。
担任に「借りますね」と確認したところ、「どうぞどうぞ、私の本じゃないけど」とのことだった。生徒か教員の本が、巡り巡って、そのクラスの本棚に置いてあったのだろう。


この作品は、この数年間に読んだ書籍の中では、最も衝撃的だった。
自分はこの数年、「物語」よりも「ノンフィクション」の方を多く読んでいる気がする。それら「ノンフィクション」のなかでは、最も素晴らしい内容だったと感ずる。

埼玉県警の上尾署は、この書籍を見る限り、本当に全然素晴らしくない。しかし「そういう警察」があったことを知れて良かった。
この事件をきっかけとして、「ストーカー規制法」が作られたことは知っていた。しかし、その詳細は知らなかった。警察周辺のゴタゴタなどは記憶にあった。


その本を読んだので、配偶者から借りたまま数年間放置してあった『64(ロクヨン)』を読む気になった。「警察繋がり」ってコトで。面白かった。

思えば、横山秀夫なる方の作品は、いくつか読んでいる。『半落ち』とか『クライマーズ・ハイ』とか。


『64』は、ドラマをすこぉーしだけ見たことがある。NHKのヤツだったらしい。やたらと切迫している場面だった。「特別な装備のトラック」にピエール瀧が乗り、犯人に振り回されていた場面を覚えてる。あれは終幕近くだったんですね。
ま、面白いのは面白いのだけど、私は警察機構というものに詳しくない。「本職」の方が『64』の小説やドラマ(映画もあったらしい)を見ると、「ちーがーうーだーろー」って思ったりすることもあるのかも知れない。
が、概ね面白い物語であった。

読んでいる間、私の頭の中にはピエール瀧が棲みついていた。他のキャラクター(ドラマの出演者)は、全然覚えていない。
それだけ、ピエール氏が素晴らしい演技をしていたのだろう。

ところで、私は(年齢的にも)ピエール氏が電気グルーヴにて音楽活動をしていることを知っていたが、私の配偶者は「単なる役者」だと思っていたそうだ。今回(?)の事件で、音楽活動の方が、役者業よりも先にあったことを知ったそうで。


ちなみに、良い本というのはヒトの間を勝手に巡っていくものであると思う。特に学校という場においては。
私も、だいぶ本を失った。そして、他人の本もいろいろ読んだ。
『遺言』は間違いなく良い本である。


過去の関連する日記(上にもリンク貼ったけど)
いまさら『半落ち』(2005年11月)

ここにあるのは2019年7月18日 18:12の日記です。

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