岩石の薄片観察に代えて

地学(基礎)の岩石と鉱物について学習する際、必ず行っている演示(?)がある。それは「模擬的な『偏光顕微鏡像』の確認」である。

私が今使っている「東京書籍」の「地学基礎」の教科書には、火成岩6種類(「リカちゃん焦ってゲロはいた」のヤツ)の写真が載っている。ま、私は現物も持参するけれど。そして、その横には「薄片の顕微鏡写真」が掲載されている。
「ニコル(偏光板)を用いていない(らしき)画像」と、「クロス(直交)ニコル(で発色させた)画像」も、並べておいてある。

ま、厳密に言うならば、生徒一人ひとりに偏光顕微鏡を用いて岩石薄片を観察させ、その岩石が「どのような鉱物から成っているのか」という実験をさせてもよいのかもしれない。しかし、これは異常に時間がかかる。世の中には、それを中学1年生にやらせる学校もあるらしい。有名な武蔵中学校だ。(参照)


私自身は、岩石の薄片作成と鉱物の同定については、大学時代の「鉱物学実験」で行った(ような記憶がある)。卒論作成に際しても、念のため試料の岩石薄片は作ったりした。別に卒論の中身には関係なかったのだけど。

で、偏光顕微鏡を覗かない(覗けない)生徒にとってみては、「偏光顕微鏡の『直交ニコル』の静止画」なんて、ほとんど「何の意味もない」のである。
偏光顕微鏡は自分で覗き込み、その鉱物の変色度合いと「鉱物学の教科書の記述」を突き合わせ、「鉱物の同定」を行って、初めて意味がある作業になるのだと思う。

しかしながら、あの「美しさ」は「知っておいても良い世界」なのではないかとも考えるのである。で、冒頭の「模擬的な『偏光顕微鏡像』の確認」について。


用意するのは、だいたい以下の通り。
・偏光板2枚
・セロハンのフィルム(各種業者から届く「透明な封筒」がちょうど良い)
・セロハンテープを幾重にも貼った上記フィルム
・ポリスチレンのスプーン(コンビニやスーパーでアイスなどを買うともらえるやつ)


何枚か、参考の画像を。

偏光板とセロハンテープを貼り付けたセロハン
2018112901.jpg

偏光板を直角に置き、その隙間にセロハンを入れる
2018112902.jpg

セロハンを回転させる
2018112903.jpg

スプーンを隙間に
2018112904.jpg

ぐしゃぐしゃに折ったセロハンも、偏光板(クロスニコル)に挟むと美しく見える。


こんな動画もあった。
ハンドルを回すことにより、手前にある円形の偏光板が回転している。

ここにあるのは2018年11月29日 22:49の日記です。

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