2018年5月アーカイブ

似た話題は一度記したのであるが、改めて。

私の職場では、私が勤めだして以降、基本的に「地学(基礎)」を担当したことがあるのは、私だけである。ただし、私が勤める前は、やはり地学が専門の方がいらっしゃった気配がある。ハンマーやクリノメーターだけではなく、岩石プレパラート作成キット、偏光顕微鏡などもきちんと理科準備室に存在してるし、やたらと岩石標本もあったから。

で、この10年弱、「理科という教科」のうちの「地学という科目」について、その教科書は私の趣味で選択されている。
普通の高校生にとっては、地球の形や大きさよりも、宇宙の歴史やその構造の方が、興味深い話であるだろう。私は「地学基礎」の教科書を選ぶ際には、「最初に天文学を扱うもの」を選ぶのである。昨年度より「東京書籍」を使っている。

その教科書、好きで使っているのだけど、気に入らない点がとりあえず1つある。それは「進化」という語を「簡単に使いやがる点」だ。
「1編 私たちの宇宙の進化」
「1章 宇宙の構造と進化」
などなど、「変化」という語で良さそうな箇所に、「進化」という語を用いている。

ま、良いんですけどね。良いんですけど、私は生徒にも言うのである。

基本的に「進化」というのは、遺伝用語である。それは「世代を超えて、遺伝子群の内容が変化していくこと」だ。
翻って、この教科書。
これは何だ! 宇宙は生まれ変わっているわけではないのだ!
宇宙の「変化」で良いではないか、なぁ、諸君!

こんな語調で喋るわけではないが、内容はそんな感じ。
続けて、
「イチローが進化」みたいな用法も、私は解せない。それは単なる「変化」だ。
そもそもこれだけ「進化」が多用されるようになったのは、ポケモン(ポケットモンスター:任天堂のゲームであり、私はやったことがない)のせいではないかと考えている。ピカチュウがライチュウに?あれは、進化じゃなくて「変態」っしょ。「変態」習ったでしょ?小学校で。サナギになる虫が「完全変態」、バッタみたいなのは「不完全変態」って。
そんなわけで、ピカチュウ(が行っているの)は変態なのですよ。間違いなく変態。

なんて喋る。ま、眠気覚ましですね。

温度計の修復

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古典的な温度計の赤い石油(あるいは水銀?)が切れることは、ままある。
これは200℃まで測定できる温度計。指先の部分に「切れてしまった石油」がある。
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情報としては、数十年前から「温めれば治る(ことがある)」ことは知っていた。

そもそも、なぜ「隙間」ができるのか。
私が経験したのは、全て「衝撃」が原因だった。机や床に落としたりして。プラスチックのケースに入れてあったのに、落としたことにより液が切れた(断絶した)こともある。ま、最悪は「破損」なのであるが。温度計はガラス製だから、バッチリ割れる。

「ただ加熱」しても、基本的に「間隙」は保たれたままになることが多い。つまり、治らない。微かに石油の蒸気が存在しているのだろう。それが「途切れた(液体の)石油」を押していってくださるのだ。この「面倒な事実」、理科教員の大半は経験があるだろう。

本年度、教科内の割り振りで、週に2時間は「理科室の整備」を受け持つことになった。毎週、ちまちまと洗い物や片付けなどをしている。

この間、自分が担当する中学2年の2分野、唾液アミラーゼの実験で、温度計を使う必要があった。
なお、この実験のちょっとしたコツをここに記してある。今使っている「指導書」には、私の主張(研究成果?)と同じ「綿球が楽かも」という記述があった。
で、ついでに温度計周辺の整備をした。空のケース(多分、中身は破損して破棄済)を捨てたり、ケース外装の「測定可能温度範囲」と中身を揃えたりした。
で、表題の「線が途切れた温度計」ですよ。

どうせ、理科室で何らかの作業をするのなら、楽しくて有意義な方が良い。腐れ日記のネタになるならベストだ。つーことで、記録をお送りします。結論から言うと、呆気なく温度計は元に戻りました。

水を温めても100℃前後にしかならないので、温度計は治りません。今回は「ごま油」と「ハンダ(半田)」を使いました。先週はごま油で「105℃まで測定可能な温度計」を、今週はカセロール内で融かしたハンダで「200℃までの温度計」を、治すことができました。
それぞれ、15〜20分もあれば、作業は完了すると思います。ガスの直火は、ガラスが割れる可能性が高そうですので、行いませんでした。

ごま油で加熱中。
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周辺が混沌としているのは、本校理科準備室の仕様です。もちろん、私はなるべく綺麗に保ちたいのですけどね。
横の実験室で授業を受けてた生徒は、香ばしいにおいを不審に思った様子。

くっついたところ。
わたしは右から2番目をチェックしていたのだが、後から動画を見たら、一番右は先にくっついてた。

くっついたので、空冷中。
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ハンダ煎のセッティング状況。
汚れていた陶製のカセロールを用いた。
さすがに、あの汚い準備室で200℃を越えるものを扱うのは恐ろしいので、広くて物の少ない理科室にて作業を行った。燃焼匙(黄色い三角形)とか、三角架も使いました。
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加熱中。
ヤニ入りのハンダしかなかったので、煙が発生した。懐かしいにおい。
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なかなか液が合体しない。
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合体後、室温に。
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