「レゴマインドストームEV3」の授業案(物理寄り)

「通り一遍の講義」ばかりをしているわけではない証明として、授業案(指導案?)を披露します。

分野 物理(およびプログラミング)
目的 歯車についての理解、仕事率とか??
必要時間 90分以上(本当に凝りだすと、数時間~10時間くらいかかるかも?)

「『レゴマインドストーム』で、最高速度を出したら勝ち」と伝える。注意点は以下の通り。
・使って良いのは「レゴマインドストーム」の基本セット一式(あるならば、拡張セットも用いても良いかも)
・自由に組み上げ、自由にプログラムを組む
・2m程度の直線コースを走らせる
・「コマンド送信」から「ゴールライン到達」までの時間が最も短かった者が勝者

解説
どのギヤを用い、どのようにレゴの車を組めば、どれだけの速度が出せるのか? 一定のレギュレーション(モーターの出力は一定であり、手元にあるレゴのブロックの種類と数も一定)の下、最適な組合せを選んでタイムアタックをすることになります。一種の「ゼロヨン」ですね。以下の画像は私の試作車です。それほどギヤ比は高くありませんが、モーターに車輪を直結するよりも速く走ります。
2018022301.jpg

2018022302.jpg
私の予想では、ギア比を上げすぎてしまうと、車は動かなくなるだろうと思われました。実際、その通りになりました。同僚の教員が嬉々としながらマシンを組み上げたのですが、走る命令を出しても一瞬「ピクッ」と動くだけで、走りませんでした。だからこそ「最適なギヤ比」を試行錯誤で探し出すという作業が必要になり、その作業をきちんと行えたチームが勝者になるはずなのです。

確かめていませんが、モーターの回転数とそのときの力には、何らかの関係性がある可能性もあります。その点については「プログラム」を書き換え、モーターの回転数を落として確かめるという検証方法もあると思います。
「試行錯誤」が必要であるという点で、ミニ四駆みたいなのが好きな生徒は、ハマることと思います。

報告
この授業は、中学3年生(女子のみ6名)に対して行いました。2名に1セットのレゴが与えられています。
最初の100分くらいは、生徒たちも面白がっていました。しかし、4時間(約200分)くらい行った段階で「飽きた」と言い出しました。
生徒達は、車の改造という「メカニック的な作業」に飽きてしまったようです。こちらからのヒントにより、上の画像と同じギヤ比の車(ただし、もっと大きくて壊れやすい)までは作れたのですが、それを「改造しよう」という情熱は持っていないようでした。そのあたりは「男子と女子の差なのかなぁ...」と思ってしまいました。
どちらかというとフェミニスト、というかエガリタリアン(平等主義者)のつもりである私ではありますが。

ここにあるのは2018年2月23日 18:57の日記です。

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