大学時代、サークル「伸歩会」の後輩のお家に遊びに行った。というか、お家にお邪魔し、宴会した。およそ四半世紀前。
そこは、明治通り横の文房具店だった。2階が住居。
あんまり詳しく書くと、何となくマズい気もするので、少しぼやかして書く。そこは「JR亀戸駅北口を出て、明治通りの右側を進んだ先」ってトコロだ。住んでいたのはK田くん。
暇な大学生たち、つまり私たちが彼の家でスーパードライなどを飲んでいた。そのとき、地震が来た。
「うぉ!」
勝Tくんは平然としている。
「?? 揺れたスか?」
どうも、その地震は「明治通りを通過するダンプカー」が発したものらしかった。度々その揺れは私(たち)を襲うのだった。カツタくんは本当に気づいていない様子だった。
話がそこで終われば、「勝田君は鈍感だ」でおしまいである。
その夜、たまたま本物の地震が来た。
多分震度2程度だっただろう。
私は一応地震に驚いた。それ以上に驚いたのが、カツタがその地震に「反応」したことだった。
「地震だ!」と。
ヒトの脳というのは、面白いものだと、その晩改めて感じた。
私にしてみれば、「ダンプの揺れ」も「本物の地震」も、区別がつかなかった。
しかし、勝田君の脳は違っていたわけである。
みたいな話、この「腐れ日記」に記したつもりでいた。が、記してなかったみたい。
この体験談はここ数年、「地学基礎」の地震の授業の際に話している。そしたらば、今年になり「それって、勝田先生じゃ?」という生徒が居たのである。勝田という固有名詞を口にする前だった。
世間はある程度狭い、改めて思った。