『中国行きのスロウ・ボート』を思い出すのである。村上春樹のうすら悲しい短編だ。
昨日は「首都圏模試センター」の主催する小学生向けの模擬テストが行われ、本校も会場として使用された。
試験前は、それなりに念入りに掃除を行う。少なくとも、机の中と机の上は綺麗にしておく。放課後の教室で掃除をしていると、上記短編を思い出すときがある。私自身は、中華学校に足を踏み入れたことはない。
この短編には、山手線の駒込駅も出てくる。
今でこそ、駒込駅(や巣鴨駅)はだいぶ構造が変わってしまったが、数年前までは無骨な駅舎とホームだった。
今でも通勤では駒込駅を通過する。幸いにして、ホーム自体は変化したように見えない。あのツツジの土手の前、若かりし頃の村上春樹氏と中国籍の女性が佇んだ時間があったのだろう。
あの短編を最初に読んだ時には、まさか私自身が中国という国に何度も足を運ぶようになるなんて、思いもしなかった。
村上春樹氏は「中国には行かないだろう」って書いていたが、ネット上で検索してみたところ、少なくとも1回は中国へ足を運んだ様子。