私が最初にパスポートを使用したのは、およそ7年前です。
30歳を過ぎるまで、ニホンってクニを出たことは無かった。もっと若いうちに、さっさと外国へ出ておくべきだったようにも思えます。
最初に行ったクニは中国でした。ニホンに帰国し、成田空港のターミナル内部を歩いていました。すると突如として「もやし炒め」の匂いを感じたのです。最後に醤油を垂らしたヤツの匂いが。
あれ以降、何度も成田空港は使用していますが、野菜炒めが饗されていそうな店舗なんて、見あたらないのですよね。そもそもイミグレーションの手前ですから、店舗自体が存在していません。しかしなにしろ、初めて日本に戻ってきた(?)とき、醤油の香りを感じたのです。
フランス・パリには2度ほど行ったコトあります。修学旅行の引率で。
初回のトキ、ターミナル内部に入った瞬間に、香水の香りを感じました。「おフランス」に来たのだと思いました。2回目のトキは、それほど香水の香りは感じませんでしたね。
その2度目の修学旅行の出発当日、私は「ゴミ出し」をしました。そのときは一時的に一人暮らしをしていたため、しばらくは家の中が無人となるのでした。
家の鍵は、旅行の準備のため、財布の中に移動しておいたような気がします。なにしろ、通常使っているキーケース(香港で買ったカルティエのヤツ)からは出していたはずです。で、マンションのゴミ捨て場へ行って気づきました。鍵を持ってこなかったコトに。
マンションはオートロックです。ゴミ捨て場の扉も開かないし、自室へも戻れない。修学旅行当日の朝です。
かーなり焦りました。
運良く、別の階のご主人が、ゴミを持って現れました。私が屋外に佇んでいたのは、1分も無かったかも知れませんし、3分くらいは経過していたのかも知れません。何しろ、5分までは経っていなかったような気がします。
何気なく「おはようございます」と挨拶をし、その方が開けたゴミ捨て場へ入りました。混乱していたから記憶が定かではないのですが、そのご主人に鍵を閉めて貰ったはずです。「鍵を忘れたので」とか、「閉めてください」とか、言ったのか、言わなかったのか、記憶にありません。
何しろ、オートロックの自動ドアを開けたご主人に続き、私も自動ドアを抜けました。
外廊下に面した自宅玄関のドアは鍵をかけなかったので、無事に家の中に戻れました。そして、無事にニホンを旅立つことができたのでした。
それ以降、飛行機に乗る日の朝は、そのデキゴトを思い出すのでした。
おまけとして、春節の上海の画像を。
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