京速コンピュータと事業仕分け

「事業仕分け」の俎上に「載せる、載せない」の区別は誰が行っているのか、私はその点に疑問を憶えました。様々な報道を見る限り、事業仕分けは財務省に乗っかっているだけだという説があるようです。エリート中のエリートを、とりあえず信じるしかないですね。
こちらの記事は面白かったです。
前進がいいけど、漸進でもかまわない - Joe's Labo


京速(10PFLOPS:10ペタフロップス)コンピュータって、NEC と日立が降りて、富士通だけが残っているヤツですよね。いろんなヒトが言っているけど、馬鹿でかいヤツを無理矢理作るよりも、BOINC の方が、能力高そうだなぁ...
って思いましたが、思いこみだけで書くのは良くないので、検索してみました。
本日時点の Wikipedia 曰く

PC/Server
Core 2 Quad: 51.20 GFLOPS(QX9775)
分散コンピューティング
BOINC: 約 1,745.444 TFLOPS 2009年6月8日 平均値

だそうですから、1.7 PFLOPS 叩き出してるわけですよね、現時点で。
京速は 10PFLOPS ですから、実現すれば BOINC を超えるのですね。

とりあえず、京速が劇速なのは分かりました。あれれ?


話題を変えます。
本当に計算させるネタがあるのかどうか、それが疑わしいと思うのです、昔からね。
tree.png
公式サイトにあった上の画像を見て、私が特に胡散臭いと思ったのは「防災:地震動予測・津波被害の予測」と「地球環境:気候変動予測・エルニーニョ現象の影響予測」の2分野です。

「京速」公式サイトがぶち上げる「気候変動予測」のシミュレート。様々な測定されたデータは正しいものだとしても、シミュレーションを行う際には、どういった要因をどういう係数にして「シミュレーター」に「突っ込む」か、あるいは「突っ込まないか」という、仕分けが行われるワケです。研究者の思惑が入り込む余地が多分にあります。

また、細かい計算をさせるには、細かいデータが必要なはずです。しかし、気候変動も、エルニーニョ現象の影響予測も、「パソコン2万台(Core 2 Quad 換算)」を必要とするような、細かぁいデータは無いような気がするのですね。

「防災」も、計算の根拠となるデータが無いだろうと思います。海底の地形やら、地下構造など、情報を集めるコト自体が高コストだと思いますので。

SETI なんかは、膨大な実データ(電磁波の受信記録)があったからこそ、計算する価値があるのだろうと思います。でも、一通りの「当初予定していた計算」は終わったようで、いろいろと違うアルゴリズムでのデータ検証をしているようです。結局、全世界のパソコンの計算能力を、持て余しつつあるのでしょう。多分ね。


工学分野は門外漢では有りますが、駄目押し。上の絵にある「自動車の安全設計等」。そんなコト「シミュレーションのコスト」と「実際の自動車製造の不確実性」を考えると、スパコンを使うまでも無い気がするのですね。鋼材の品質は製鉄所に依存しますし、溶接技術はクルマ工場に依存します。

何よりも実際の事故は予測不可能です。このビデオは凄い。youtube からは無くなりましたね。


京速コンピュータ、「作りたいヒト」は作りたいのだろうと思います。その気持ちは分かる気もします。でも、走らせる「べき」データって、有るのかしら。繰り返しになりますが、前から疑問でしたわ。

劇速コンピュータは、日本のお家芸「ハコモノ」でしか無い気がしますね。
「コンクリートから人へ」というフレーズもありますし、富士通さんもあきらめましょう、ね。


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2009/11/27 追記
スパコンと気象予測について調べてみました。
気象予測で用いられるらしい「アンサンブル予報」って、似非科学じゃねぇの?

ここにあるのは、Masakiが2009年11月15日 14:13に書いた日記です。

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