初秋の東京で

一昨日から阿佐ヶ谷では、キンモクセイがごく微かに匂っていた。今日は本格的に匂い始めた。通勤途上に数カ所生えており、学校の敷地内にも存在している。そいつらは一斉に香りを放ち始めた。不思議なものである。
毎年思いながら実際には行わないコトに、「キンモクセイ開花日」の記録がある。
私の記憶では、10月6日の開花は平均からちょっと遅いくらいなハズだ。阿佐ヶ谷に勤め始めて15年になるので、定点観測しようと思えば、できるハズではある。
まぁ、実はジンチョウゲとキンモクセイについては、なるべくマメに日記に書くようにはしている。ソメイヨシノなどはデータがたくさんあるだろうから、調べようと思ったコトは無い。素人(?)には開花の定義が難解である気がするし。


この秋、阿佐ヶ谷周辺で改めて気づいたのは「駅南西にはミズヒキが多い」というコトだ。
ミズヒキはかなり地味な植物だ。私は合唱部に入らなければ、この植物を知るコトは無かっただろう。
私の高校時代に流行した合唱組曲に『旅の途の風に』というのがあった。流行というか、新譜に近く、派手な曲も含まれていたから、コンクールで度々自由曲に選ばれていたのである。
詩は須田貢正というヒトの作品である。最終曲の『晩秋の里で』にミズヒキは出てくる。

合唱部の指揮者だったか、別の誰かだったか忘れてしまったのだが、ある秋の日にミズヒキの赤い花を音楽室に持ってきてくれたヒトが居た。
花といっても、めちゃくちゃ地味である。「赤く色づいた、ちょっと間引きされたシソの実」にしか見えない。

あの花を見る度、私は高校時代を思い出すのである。
阿佐ヶ谷のミズヒキには、色素が抜けてしまったように見える株もある。ヒガンバナやサルビアなどは濃赤色の花をつけるが、黄色みを帯びた白いヤツもたまに見られる。あれと同じである。


植生で思い出したが、常磐線の三河島周辺には、何故かビワが多い。小振りではあるが、初夏に実をつけているのを見る。気になりながら、まだ食べたコトは無い。あと私が30歳若ければ、線路際のそいつの味を確かめていることだろうに。


西日暮里周辺も、今日キンモクセイが匂い始めた。これも毎年思うのだが、私の移動範囲内では、花の開花に明確なタイムラグは出ないようだ。
一気に秋。

ここにあるのは2008年10月 6日 21:52の日記です。

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