恐らく、今後もバンバン発覚するでしょう。必修科目の単位未修得問題。
この現象には、少なくとも3つの原因があると思われます。
1.大学側が、入試問題のレベルを下げない。
2.高校側が、難関といわれる大学へ生徒を放り込もうとしている。
3.生徒は、学業に熱心ではなくなっている。
予め断ります。以下の文章は「自慢」と「回顧」を含みます。
まず、大学について。
大学教授は、傾向の新しい問題を作りたがるものだと思います。そうでなかったら困りますけどね。先進の気概が無いヒトが、教育に携わっているのは拙いだろうから。特に、入学試験ってのは真面目に作成されるものだろうと思います。私の職場も、入学試験は一番気合いを入れて作られています。
しかし、それがうまく叶わない場合、単なる知識を要求する問題が作成されてしまうこともあるでしょう。重箱の隅をつつくような、マニアックな暗記問題などが作成されるってコトもあるでしょう。
次に、生徒について。
私は1971年1月の生まれです。第2次ベビーブームの「はしり」だと思われます。
確か中学校のときだったと思うのですが、「君たちの世代は、恐らく大学入試が最も激戦になる世代だ」って文書を見ました。確かに言われてみれば、私の世代は人数が多いし、下の世代はもっと多い。
下手に浪人でもしてしまった場合、受験生の数はどんどん増えますから、大学に入りにくくなる。中学から高校にかけては、本気で勉強しておかないと、大学に入ることができないというハナシも、説得力がありました。
私自身、受験勉強は「自分で問題集を解いて」進めていくものと認識していました。分からない問題があったら、分かるまで参考書を読むか、問題が解けるように暗記事項を脳みそに押し込みました。基本的に、(ペーパテストで計測される)学力は自力で何とかしました。
今は「大学全入時代」とも言われています。高校入試も大学入試も、推薦入試が花盛りです。生徒を何とかして確保しないと、学校は潰れちゃいますから。大してペーパーテストへ向けた受験勉強をしなくても、高校や大学へ潜り込めてしまうことがあります。必然的に、学業に対する執着心も薄れるでしょう。
最後に、高校について。
高校の教員(あるいは、予備校の講師)は、そういった重箱の隅をつつくような入試問題に対応しなければなりません。そして、その入試を受けるのは、学業に対する執着心の薄い生徒達です。
必然的に、授業は昔よりも親切なものとなっているはずです。親切な、つまり「分かりやすい」授業の為には、授業時間数の確保も必要でしょう。
また、高校を管理する「教育委員会」からは、「高校の存在意義」も求められるでしょう。「進学校」ならば、受験科目とならない授業に、限られた生徒達の時間を割くのは「無駄」という思いも生じることでしょう。
以上のような状況があるから、現在世間を賑わせているような、「指導要領から逸脱したカリキュラム」が実行されてしまうのですね。
この問題は、高校だけを責めてもダメです。
変化すべきは大学でもあります。また、指導要領自体の正当性も、もっともっと議論されるべきでしょう。生徒や児童に「勉強は楽しい」と思わせるよう、初等教育も重要であるはずです。
今回のニュースで、とーっても不思議なのは、「何故、このタイミングで発覚したのか」というコトです。
もしかすると、推薦入試の為に提出された、「(間違って)本当の修得単位数を記した調査書」が、大学側に送られ、そこからニュースとして発展したのかなぁ… なんて思うのです。
って、この文章記している最中にも、「未履修情報」が増加してますね。
うん、最新のネタを扱ったぞ。ブログっぽいね、フフフ。