昨年末にリリー・フランキーの『東京タワー』を読み、他の作品も読まねばならないと思った私だった。
で、今年の初めには『増量・誰も知らない名言集 イラスト入り』を購入したのだった。ずっと放置してあったそいつを読破したのは、7月頃だった気がする。
この本には、彼の身近な人々の発した「名言」が収まっている。出てくるのは「歴史上の人物」などでは無い。だから、本当に「誰も知らない名言」が収録されているのだ。その数40弱。
私が一番面白い「御言葉」だと思ったのは「次の日は苦い」というヤツである。
印象深い話はサンドイッチのヤツ。
リリー氏のイラストは面白い。しかし、そのイラストは「御言葉」を紹介している文章の途中に挟まれているため、そのオチに到達する前に、「ネタバレ」が起こってしまう場合があった。特にサンドイッチ話なんか。その点が少し残念だった。なので、この本を買うならば「イラスト抜き」バージョンの方が良いのかも知れない。
『東京タワー』は面白いが、何しろこの『誰も知らない名言集』も面白い。この本を電車の中で読むことはお薦めできない。笑いをこらえることができないだろうから。
なお、内容は「お下劣」とされるものが多いです。しかし、華麗な文体というか何というか、ほのかに笑わせる際の文章のひねり方が、常人には真似できない気がしました。何というか、普通の人は話を面白くするために捻る際、180度とか、360度とかの分量(?)を捻る気がするワケです。しかし、彼リリー・フランキーの場合は基本的に「4分の3捻り」くらいの感じがするのですね。
何しろ、スゴイ文章を書く人だなぁと思ったのでした。
また、機会があれば(読むべき本が無くなったら)、リリー氏の著作を読みたいと思うのでした。