8月6・7日と、杭州へ連れて行ってもらった。
杭州は上海の南西およそ200km に位置している、浙江省に存在する古都である。西湖を中心に発展した町であり、今でも市街地の真横にそれは横たわっていた。
大都会の横に周囲20km弱の湖があり、その向こうには山が見える。湖の周囲は観光用の車が走り回り、湖には遊覧船がプカプカと浮いている。なんだか不思議な町であった。
高層ビルが乱立する大都会と、結構大きな湖が同居している観光地なんて、日本では思いつかない。
水道水も上海より臭わない、滞在していて快適な場所であった。
杭州では、霊隠寺に参詣し、超有名レストラン(であるらしい)楼外楼で東坡肉(トンポーロー)やジュンサイのスープなどを頂き、遊覧船で西湖上の名所を巡ったりした。
中国に来る度、日本と違うなぁと感じることの一つに「古刹等の電飾」がある。
日本ではここ数年、古寺や神社等がライトアップされていることが多くなった気がする。私が小さい頃、お寺のライトアップなどは少なかったように記憶しているのだが、それは時代の流れというヤツなのだろう。
私が中国に初めて来たのは3年前のことであるので、それ以前の中国の電飾については知らない。私が見る限り、中国では結構な割合で、お寺などの屋根の稜線や縁に「電球入りチューブ」がネロネロと這っている。
日本のライトアップは、あくまで「外から照らしますよ~」というタイプである。投光器やらスポットライトやらを建物(歴史的建造物)の周囲に配置し、周囲の風景から建造物を浮かび上がらせるように仕向けられている。
中国のライトアップはもっと豪快である。オレンジ色の電球や赤色の電球が入っているチューブ(クリスマスの時に使われる電飾をもっと丈夫にし、点滅機構を排除したもの)を、屋根の上とか、屋根の縁とか、建物の輪郭線などに合わせて配置してあるのだ。遠くからその塔なり伽藍なりの建築物の形が確認できて有り難いような気もするが、建物に申し訳ないような気もする。
もし、チューブの電灯が点滅していたら、日本の歌舞伎町か何かみたいになってしまうだろう。今後もそれは避けていただきたいと勝手に思っている。
今気づいたが、上海の外灘の建物群は、既に昔からスポットライト風の電灯でライトアップされている。ただ、外灘の建物の電飾では、電飾が建物の外壁に据え付けられているので、「中国日本折衷式」あるいは「東京タワー方式」とも言えるのだろう。
今後は、中国の観光地などでも、徐々に日本方式のライトアップが増えていくのかも知れない気もするし、現在の方式のままで21世紀を突き進むような気もする。どちらの見栄えが良いとも悪いとも言えないが、何しろ今後の「中国ライトアップ事情」の展開を見守ろうと思う私なのだった。