以前から様々な笑い話を書いているつもりだが、まだ書いていなかったネタがあるので披露。
小学生だったか、中学生だったか忘れた。何しろ20年以上前のコトであることは確かだ。
都会の公園は狭い。かの有名な「シロナガス猫」の額20個分を超える区立公園なぞ、東京23区内にはほとんど無いだろう。
公園はことごとく小規模なので、安全のためにネットやフェンスで囲われた「球技場」みたいなのが付属している場合が多い。
私の記憶によれば、笑い話となるデキゴトが起こった球技場の広さは数メートル×10数メートルで、周囲は「金網デスマッチ」風になっている。さすがに電流は流れていない。球技場の上にはボール等が飛び出さないようにネットが張ってある。ネットの高さも数メートルだったと思われる。
20数年前の私は、友人達とその球技場で遊んでいた。確か野球風の遊びだった。球宴もタケナワとなったそのトキ、そのボールがネットの穴を抜けてしまった。そのボールは球技場のネットの上に転がった。ハンモックにゆられるような状態となり、ネットの上に留まってしまったのだ。
当然の事ながら、私たちはそのボールを手元に戻して球宴を再開すべく、球技場との格闘を開始した。周囲のネットに上っても無意味であるようだ。手近なところに竹竿のようなものは見あたらない。
最終的に、地面に落ちている石を拾っては、ボールへ向けて投げつけ始めた私たちだった。ボールあるいはその周辺のネットに石をぶつけ、ボールをうまく移動させ、通り抜けたネットの穴から取り返そうと考えたのだ。
ボールを落とせなかった石は、重力に引かれて地上へ落下する。石は大きなものから小さなものまであったように記憶している。投げては拾い、投げては拾い、ボールを落とそうと試み続けた。なかなかボールは戻ってこなかった。
石を投げるのに疲れた私は、友人の投げた石を眺めていた。ボーっと眺めていたのだろう。
私の額は、ネコのそれよりは広かったようである。
重力は相変わらず作用し続けていた…
(以下続く)