冬は満月が高く見えることをご存じだろうか?
JAXAのサイト内Q&A:冬の月の高さにはその理由を説明した図があります。また、Nikon | 星空案内:2005年6月の星空をちょこっと下へスクロールさせると、地上から見た太陽や満月の移動経路を見ることができます。
上記サイトで理解できれば、このページの存在意義は無いのですが、ちょっと「悪あがき?」してみましょう。
上の図に記したように、満月になる時というのは、地球から見ると月と太陽は反対方向に存在します。しかし、ちょっと変ですよね。「地球の影に月が入っちゃうのじゃない?」って思いますよね。
実際の太陽は地球に比べてとても大きく、その直径は地球の約100倍です。また、月の直径は地球の約4分の1となっています。だとしても、太陽や月の配置が図の通りだとしたら、満月の際には必ず月食が起こるはずですよね。何故月食(や日食)が少ないのかというと、「地球が太陽を回るときの面:左の楕円」と、「月が地球を回るときの面:右の楕円」には、5度ほどの傾きがあるからなのだそうです。また、右の楕円は首振り運動(おもちゃのコマが倒れる前の動き)をしているそうです。そのため、月食は年に0~3回起こるそうです。
で、そこまで理解できたとしましょう。何故、冬の満月は空高くに昇るのか。
上の図は北緯35度の地点にいる人から見た、太陽や月の軌道を表しています。手前側が西、奥が東の地平線です。
夏至の太陽はどの軌道を通るでしょうか。そう、小学校か中学校で習ったように、「1」の軌道ですね。また冬至の太陽は「3」、春分・秋分では「2」です。義務教育をきちんと受けた人は、ここまでは理解しているはず。
ここで、最初の図を思い出してください。満月の日、月は太陽のちょうど反対側にいます。太陽が最も空高く昇る夏至前後も、満月は観測者から見て太陽の反対側に存在するわけです。その場所はどこでしょうか?そう、「3」の軌道上なのですね。また、夏至の日の新月は太陽に近い位置にありますから、空高く昇っているはずです。ただし、新月は太陽とほとんど一緒に地平線を昇りますから、その姿を見ることはできません。つまり、月の高度は1ヶ月の間でもかなり変動するのですね。
そして、表題の「冬の満月」です。太陽は「3」の軌道上に存在しますから、冬至前後の満月は「1」の軌道上に存在します。ほら、満月が高く昇りました。
私がこの事実に気付いたのは、ほんの数年前だったりします。