http://www.nikkei.co.jp/news/main/20051205AT1G0502S05122005.html から
教員の6割、新規採用で縁故「有利」・内閣府調査内閣府は5日、教員の採用方法に関するアンケート調査結果を発表した。教育委員会や学校関係者に身内がいる場合、新規採用が「有利に働く」と答えた教員は23.5%。「多少有利に働く」(35.4%)も含め、6割近くが有利との認識を示した。一方、市区の教育委員会は同じ質問に0.4%が「有利に働く」、5.5%が「多少有利に働く」と答えるにとどまっており、現状認識に大きな隔たりがあった。
調査は全国の都道府県や市区の教育委員会と学校法人の採用担当者を対象に、9月12日から10月21日に実施。回答率は60%。教員は東京都江東区の公立小中学校などから2835人を無作為抽出し、回収率は9.2%だった。
教員免許がなくても非常勤講師などで仮採用し、優秀なら本採用に移行する制度の拡大に関しては、教員は「賛成」が35.4%、「どちらかといえば賛成」も31.5%と積極的な回答が目立った。市区の教育委は「賛成」が7.6%、「どちらかといえば賛成」は28.2%となり、慎重な声が多かった。 (23:35)
帰りの電車の中で日経のこの記事が目にとまり、帰宅後に内閣府のページを調べて驚きましたね。
http://www.kisei-kaikaku.go.jp/publication/2005/1205/item051205_01.pdf の2ページ目から
参考:教員アンケート実施概要
・教員の採用に関する実態を教員の視点から把握する。
・東京都江東区の公立の小学校(43校)、中学校(22校)から、約半数にあたる小学校(22校)、中学校(11校)を無作為に抽出して調査票を送付し各校の全教員に配布した。各教員からは、郵送にて直接調査票を回収した。また、英語教材製作会社の会員リスト(英語教員が全国的に登録)をもとに、調査票を送付し、郵送にて回収した。
また、同じページを見てみますと、江東区の教員には合計652通送付し、回収されたのが129通。英語の教員へは同じく2183通中131通の回答。
滅茶苦茶回答少ないですね。都道府県47の教育委員会は100%の回答率だったそうです。ま、ヒマなのでしょう。
日経記事内の「教員」ってのは、何となく読めば「全国の教員」って勘違いすると思うのですね。しかし、このアンケート結果は「比較的公平さが保たれているであろう東京都江東区の話」であり、「縁故採用が活発に行われていそうな地方の話」ではないワケです。私は、東京とその他道府県においての教員採用の実態は知りません。教員採用が公平なのか、あるいは縁故が幅を利かせているのかということは、私の想像でしかありません。
では、身近な話をいたしましょう。
大学時代の友人には、学部卒業直後は自分を含めて教員採用浪人しているヤツも多かったのです。教員採用試験が今よりもずっと厳しい時代だったですし。
しかし、23区内の教育科学館のようなところでアルバイトをしていた知り合いの2名は、サクサクと教員採用試験に受かっていきました。私の記憶が正しければ、浪人1年目にI区の科学館でバイトしていたAくんは浪人生活が1年で終了しました。その後釜でバイトに入ったBくんも、やはり1年間のバイト生活の後に正式採用になりました。チナミにその間、私は同じ東京都の小学校教員採用試験に落ち続けたのですね。私の人物観によれば、Aくんと私の能力はどっこいどっこい、その下のほうにBくんが位置していたのです。
「あいつが採用されちまうのかよ...。元校長なんかが関係している場所でアルバイトしているのだから、優先的に採用されるかも知れないがなぁ...」とかなりクサり気味になった私でした。
教育の荒廃(存在するならば)は縁故採用からも来ているのだと思いますね。教員に様々な能力が要求されていくこの時代です。能力に欠けるのに縁故によって採用された教員の存在は無視できなくなっていくでしょう。だからこそ、内閣府とやらはそんなアンケートをやったのでしょうね。文部科学省じゃないのが面白いですね。
その内閣府のpdfはザッとしか眺めていませんが、面白かったのは13ページ目。