清くない一票

本日、お勤め先で「生徒会役員選挙」の演説会があった。
その最中でふと気づいた。生徒が結構(全員の2~3割くらいかな?)宣うのだな、「清き一票を」っていうフレーズ。
「んー、これは“過去の残滓”だな」と思った私が居るワケね。

だいたい、「清き一票」ってコトバが存在するのは「清くない一票」が実在する、あるいは実在したからですわな。普通の大人の頭で考えると、「清くない一票」ってのは「公職選挙法(突然大人の世界のハナシに移ります)に抵触する一票」ってコトなのだろうね。それは「金や物で買収された票」ってコトでしょう。

果たして、現在の生徒会の皆さんがどれくらいの選挙活動を行っているのか、生徒会に属していない(そう、生徒会は生徒の組織だ)私は知る由もないが、自分の高校時代を振り返ってみると、「ヤツはいくらで票を売った」なんてハナシは聞かなかったな、小学校から高校まで。ま、もしかすると「票ブローカー」が暗躍し、その結果として私の生徒会長達?が存在したのかも知れない。で、真面目な私?にはブローカーも声を掛けなかった。

公共の建物や横断歩道橋に存在する選挙の啓発ポスターや啓発横断幕を思い返してみると、「あなたの一票」ってフレーズは記憶にあるものの、「清き一票」ってヤツは見た記憶がないなあ。幼い頃?に街頭や街宣車で見た立候補者の「清き一票をお願いしますっっっ!」って大声は聞き覚えがあるけれど。

最近は選挙終了直後に「公職選挙法違反」で逮捕されるヒトも少ないですよね。中元や歳暮も選挙がらみの規制対象であると聞いた気がするし、当然の流れなのでしょう。「票田」に対する金の流通量も相対的に減少しているのは確かなんじゃないかしら。そう、徐々に一票の純度は高くなっていっているはず。
だからこそ、私は違和感を覚えるわけだ。「清き一票」って言葉に。
もともと中学や高校の生徒会選挙なんて「清い」ハズじゃないですか。

この謎な国家日本が存在するのは、清くない一票の集積でもあろう。
かと言って、自分の清き?一票に何の意味があるのか、あんまり分からないような投票を繰り返しているワケでもあるけれど。
そんな投票も、もう10年以上ですかぁ。年も取ったわなぁ。

ここにあるのは2003年10月 3日 21:00の日記です。

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