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職業選択に際して

2002/10/1 上梓

 

 小学校4年の夏休み、私は茨城から東京へ引っ越してきたのですが、その直後に色覚異常を精密に検査するため、東長崎駅前の「豊島ハイツ」内の眼科に行ったのでした。その際に眼科医のセンセから言われ、強烈に覚えているのは「医者にはなれない」ってコトバでした。チナミに、現在は色覚に異常があっても、医者への道は閉ざされていないそうです。念のため記します。
 私の思いこみかも知れませんので先日母親に確認しましたが、医師から確かにそういった意味の発言がなされたようです。小学校4年のとき、「そうか、僕は医者にはなれないんだ」と思った記憶があります。いまさらその医師を探し出し、糾弾しても仕方ありません。また、私は現在の職業(中学・高校教師)を愛していますので、今となっては大した問題ではありません。しかし、ヒトの一言っていうのもかなり重要なのだなぁと思いました。この文章記している最中も、自分の発言に気をつけようと、改めて思いました。教師も相当他人に影響与えますものね。それだからこの職業を選んだのですけれども。
 私自身は小学生の頃から、「小学校の先生になりたい」って考えていたのですね。医者というのも選択肢のうちにあったのは確かですけれど。で、最近知ったのですが、小学校教諭や幼稚園教諭、保育士ってのは「色覚異常者には向かない」とされている教職の筆頭なのだそうです。私は東京都の小学校教員採用試験を3回落ちたのです。まあ、現在の私の方が、学生時代の私よりも愛すべき人格になっているとは思いますし、教員採用試験に受かる可能性も高いと思います。ここで気になるのは、どの程度「色覚異常」が問題になったのかしら?ということなのです。3回の試験とも、1次試験のペーパーテストは突破しました。2次試験である「水泳の試験」「面接試験・集団討論」「健康診断結果」のいずれかに不合格の理由が潜んでいるはずなのです。健康診断は豊島区の保健所で受けました。医師との問診の際に「色覚異常なのですねぇ」とのコトバを聞いた記憶があります。保健所に勤める医師は、「色覚異常者は小学校教諭になれない」と思っていた(あるいは知っていた)のでしょうか?
 医師・教員の中にも「石原色覚異常検査表」を丸暗記して試験に合格した色覚異常者は数多く存在するそうです。私自身も3度目の教採のとき「あの色覚検査表を丸暗記して、「色覚異常なし」ってことにしちゃおうか」と思ったことを覚えています。結局、それは止めておきました。自分自身を偽ってまで試験に受かろうとは思いませんでした。結果的には幸いなことに、3度目の教採(大学卒業して2年目)を受けたときに非常勤講師として勤務していた学校(現在の勤め先)に、翌年から専任教諭として採用してもらえました。そして現在に至ります。
 色覚異常のヒトにとって、「向かない職業」があることは確かでしょう。ただ、その異常の程度には相当の軽重があるらしいのですが、「異常なし」あるいは「異常あり」とスパッと2分されてしまい、それ(色覚異常)によって職業選択の幅が狭められているのも2002年現在、事実と言えましょう。
 また、職業選択とは直接関係ありませんが、私が大学として選んだ「小学校教員養成課程」は、私が入学する数年前まで色覚異常者に対する入学制限があったという未確認情報もあります。まあ、私自身はラッキーだったと言えましょう。大学入学すら拒否されてしまう可能性も存在したわけですから。
 I was born to be myself , so you were .

 


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